Friday, December 31, 2010

BOOMOON, NAKSAN


ナツラエリ・プレスから間もなく刊行される韓国の写真家ブムンの写真集に寄稿しました。冬の海の写真です。

"Snow, Sea, Light," translated by John Junkerman, Boomoon, Naksan(Portland: Nazraeli Press, 2010), n.p.

ソウルのHakgojae galleryでこの連作を含む個展が、1月12日から2月27日まで開催されます。
http://www.hakgojae.com/

Thursday, December 30, 2010

石川真生 FENCES, OKINAWA


年内最後に配本になった沖縄写真家シリーズ[琉球烈像]は、第5巻『石川真生写真集 FENCES, OKINAWA』(未来社刊、解説は天野太郎さん)。複雑な層を成す沖縄の現実を明快に直視するよう促す、充実の一冊です。

http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624900250
http://blog.livedoor.jp/ishikawamao/

1月15日から那覇のgallery M&Aで個展「FENCES, OKINAWA II」が開催されます。
http://gallerydays.ti-da.net/e3142821.html

Sunday, December 26, 2010

2010年回顧 写真集・写真論

回顧の暇もなく年は暮れますが、以下の短文を寄稿しました。

「写真、「2010年回顧 動向収穫」のうち」、『週刊読書人』2010年12月24日号、7頁。

以下の写真集・写真論に触れています。バッチェン『写真のアルケオロジー』、『時の宙づり—生・写真・死』展図録、コットン『現代写真論』、荒木経惟『チロ愛死』、同『センチメンタルな旅・春の旅』、古屋誠一『Memoires. 1984-1987』、長島有里枝『SWISS』、中平卓馬『来たるべき言葉のために』、鈴木清『流れの歌』、『沖縄写真家シリーズ』(全9巻のうち)、『母たちの神—比嘉康雄写真集』。

Thursday, December 23, 2010

ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス


12月22日(水)、金沢21世紀美術館で「ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス」展。すでに深い伝統に根ざした元パンク。スイス性。クマとネズミ、永久機関的な物体の伝播、日用品の組み合わせによる彫刻写真or風景写真、それらはいずれもアレゴリカルな劇を指し示し、擬人的。トンネルの奥深くへ進入し続けるイメージも同様。粘土とポリウレタンによる彫刻はメチエの否定ではなくそのぬぐいがたい誇示。でも相当面白い。石川県立美術館、仁清(国宝)、雅邦の襖絵。

Tuesday, December 21, 2010

展評「比嘉豊光写真展」

10月29日~11月5日に開催した「骨からの戦世 65年目の沖縄戦—比嘉豊光写真展」の展評が、artscapeに掲載されました。飯沢耕太郎さんによるものです。

http://artscape.jp/report/review/1225935_1735.html

Sunday, December 19, 2010

PUNCTUM TIMES


タブロイド版の『PUNCTUM TIMES』に寄稿しました。

「時の過ぎゆくままに」、『PUNCTUM TIMES』No.14(Special Issue「写真分離派宣言」)、2010年、頁なし。

http://www.punctum.jp/times.html

Saturday, December 18, 2010

明日の対談 近藤一弥+澁谷征司 


明日、赤々舎で開かれる、写真家・澁谷征司さんのイベントのお知らせです。17:00からは、ディジタルコンテンツ系の兼任講師でもあるデザイナーの近藤一弥さんが出演されます。



現在開催中の澁谷征司展「DANCE」に関連して、下記のイベントを行います。
日曜の午後から夕方にかけて、連続して行うトークショー、ご都合のよい時間にお越しください。

::第1部::
<澁谷征司、黒田光一、姫野希美による鼎談>

12月19日(日) 14時スタート

現在、個展「こころ」を開いている写真家の黒田さん。
互いのスライドショーとともに、写真を考える本質的な対話が楽しみです。

::第2部::
<澁谷征司、近藤一弥によるトークショー>

12月19日(日)17時スタート

アートディレクターの近藤さんは、「BIRTH」「DANCE」ともにデザインし、そもそも澁谷さんを赤々舎に紹介してくださった方。

澁谷征司の写真をもっともよく知る方と言えます。
近藤さんのお話自体、とても貴重な機会です。

ともに場所はAKAAKAです。
ご予約不要、入場無料。
ぜひゆっくりお越しください。

 株式会社 赤々舍
 〒135-0021 東京都江東区白河2-5-10
 Tel: 03.5620.1475/Fax: 03.5620.1479
 )))))))))) http://www.akaaka.com/

南大東島、北大東島


12月6日(月)那覇から南大東島に移動。雨が降ったり止んだりのなか、自転車を借りて、大東神社、製糖工場、塩谷海岸などを回る。おそろしいほど静かで誰にも会わない。ピンクの羽根の巨大なイナゴが高く飛ぶ。蟇蛙が道路で潰れているのが点在する。海は凪いでいる。翌7日(火)ふるさと文化センターで所蔵写真を閲覧させてもらう。明治の開拓期から昭和40年代ぐらいまでの島の記録。散逸を防ぐ必要がある。再び大東神社、塩谷海岸と西港と回っている内に雨脚が強まり、合羽を着ていてもずぶ濡れになる。海は荒れている。夕刻北大東島へ移動。飛行機で5分。深夜には晴れて、沢山の星が出ているが、そこに燈台のサーチライトが回ってくる。翌8日(水)朝からほぼ快晴だが、時化て港は立ち入り禁止。自転車で島の西半分を海沿いに走り、また内陸で海岸線と平行して立ち上がる「幕」と呼ばれる崖壁に沿って走る。植生が面白い。沢山の土木工事。強い日差しの中、開拓者の上陸地点も激しい波頭。西港近くの燐鉱石貯蔵庫跡の廃墟、大東神社。夜、那覇経由で羽田へ戻る。

Friday, December 17, 2010

母たちの神 比嘉康雄展


12月5日(日)那覇・沖縄県立美術館で「母たちの神 比嘉康雄展」を見る。充実した展観で、堂々たる写真家であることが分かった。シンポジウム「生きること、祭ること、迎えること‐琉球弧の祭祀世界と生死観‐」を聴講。第1部は、大重潤一郎「沖縄久高島・原郷ニライカナイへ‐比嘉康雄の魂‐」および比嘉豊光「比嘉康雄」の映像を上映、第2部シンポジウムはコーディネーター安里英子、パネリスト赤嶺政信、稲福みき子、奥濱幸子、西谷修の各氏。主に民俗学的な立場から比嘉康雄の仕事を忌憚なく検証する場となった。会期が1月10日(月)まで延長となり、またIZU PHOTO MUSEUMに巡回予定だが、出来れば那覇で見て欲しいと思う。掛け値なしに必見の展覧会で、図録も素晴らしい。12月25日(土)には主に写真関係者によるシンポジウムが予定されている。
http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/topics/detail.jsp?id=572

またちょうど未来社の沖縄写真家シリーズの第3回配本『比嘉康雄写真集 情民』が出来上がる。こちらはポートレート作家としての比嘉康雄の力量がよく表れている一冊。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624900229

Saturday, December 11, 2010

「樹木 木と人の心」展、開催中


管啓次郎さんの研究室主催の「樹木 木と人の心」展が、生田図書館Gallery ZEROで開催中です。ぜひご覧下さい! (以下は展覧会情報)

わたしたちの暮らしのすぐそばにある樹木。このたび理工学研究科ディジタルコンテンツ系に所属する学生が中心となって、樹木と人の関わりをテーマに掲げた作品展を開催します。
出品作品は写真、映像、絵画、詩、オブジェ、音響など幅広く、テーマに関連した200冊あまりの図書の展示も行います。また、ゲストアーティストとして、国内外の美術館やギャラリーで数多くの作品を発表し、近年、注目を集めている佐々木愛氏も参加します。
ぜひ、ご来場ください。

■会期 2010年12月5日(日)~2011年1月10日(月)
※12月28日(火)~1月4日(火)は休館

■時間 [平日・12月23日(木)] 9:00~19:00
[土] 9:00~18:30
[日・祝] 10:00~16:30
[12月25日(土)~27日(月)、1月5日(水)~7日(金)] 10:00~16:30

■会場 明治大学生田図書館 Gallery ZERO
川崎市多摩区東三田1-1-1(小田急線生田駅下車、南口から徒歩約10分)
TEL 044-934-7945
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/ikuta/access.html
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html

■主催 明治大学大学院理工学研究科ディジタルコンテンツ系管啓次郎研究室

■問合せ jyumoku2010@gmail.com(「樹木 木と人の心」展実行委員会)

■関連イベント 音楽家Ayuoによる特別講義「蛇と樹 音楽の歴史的・神話的起源」
[日時] 12月23日(木・祝) 15:30~17:30
[会場] 明治大学生田キャンパス中央校舎6Fメディアホール
予約不要・入場無料

※一般の方もご来場いただけます。
図書館入口ゲート横の呼出ボタンにて係の者をお呼びください。
※お車でのご来校はご遠慮下さい。

Saturday, December 4, 2010

「写真分離派宣言」


「写真分離派宣言」という展覧会と出版の企画に、鈴木理策、鷹野隆大、松江泰治、清水穣各氏と参加することになりました。12月11日(土) のオープニング・イベントで清水さんと対談をします。

写真分離派宣言
鈴木理策、鷹野隆大、松江泰治、倉石信乃、清水穣
2010年12月11日[土] - 2011年1月30日[日]
NADiff GALLERY

【オープニングイベント + レセプション】
2010年12月11日[土]初日 17:00 - 19:00
『スナップショットについて』
倉石信乃 × 清水穣
※19:00 - 20:00、ささやかなレセプションパーティを行います。

展覧会とトークの詳細 http://www.nadiff.com/news/bunriha_gallery.html
出版物 http://www.punctum.jp/times.html

Saturday, November 20, 2010

今日の写真2010、第12回


「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年12月号(189-193頁)。第12回目のゲストは、横浜美術館主席学芸員の天野太郎さん。「Exposed」展(テート・モダン)、マイケル・フリード、ジェフ・ウォール、大城弘明、東松照明、平敷兼七、石川真生、「ラヴズ・ボディ」展(東京都写真美術館)がなどが話題に。今回をもって2年間に及んだ私の任務は終了。

Tuesday, November 16, 2010

鈴木清写真展 対談に参加します


今週末、東京国立近代美術館で開催中の展覧会「鈴木清写真展 百の階梯、千の来歴」の関連事業として、写真家の金村修さんと対談します。ぜひご参加下さい !

日時: 11月19日(金)18:00-19:30
時間:18:00-19:30
場所:東京国立近代美術館講堂(地下1F)
聴講無料 申込不要(先着150名)

http://www.momat.go.jp/Honkan/suzuki_kiyoshi/index.html#event

Thursday, November 11, 2010

ARICA「house=woman 家=女」 追加公演決定!

ARICA第19回新作公演
「house=woman 家=女」 追加公演決定!
ただいま上演中の新作公演「house=woman 家=女」は、好評につき、急遽追加公演をすることが決定しました。

日程は、11月12日金曜日、午後1時30分開演です。
その他の日、11月11日(木)、12日(金)夜、13日(土)、14日(日)はかなり混雑が予想され、また今後満席で予約が受け付けられなくなる可能性があります。
追加公演は、ゆったりとご覧いただけます。
なお、追加公演に関してのご予約は、予約フォームが対応していないため、次のアドレスに直接ご連絡ください。

mail@aricatheatercompany.com

http://www.aricatheatercompany.com/japanese/news/

Sunday, October 31, 2010

昨日の御礼 沖縄と戦世の記憶


昨日、中止となった公開文化講座『沖縄と「戦世(いくさゆ)」の記憶』は、大学近くのレストラン+パブ「アミ」地階で自主講座に形を変えて開催されました。台風のなかにもかかわらず大勢の方々にお越しいただき、有り難うございました。狭い中長時間立ってお聞き下さった方々にはご不自由をおかけしました。一方、参加していただいた方が作り出す、アンチームな雰囲気の中で真剣な議論ができたことは、パネリストとして嬉しかったです。審議応答の時、沖縄戦をたたかってそのまま遺骨の戻らず、足跡をたどることも困難な日本兵の親族の方からのご意見には、胸をつかれる思いがしました。出自や文脈をおいても、死者との関連を示す写真や言葉が、圧倒的な不在をわずかでも埋める手がかりになる、そうならざるをえないこと。

「骨からの戦世—65年目の沖縄戦 比嘉豊光写真展」は、11月5日(金)15:00まで、明治大学アカデミーコモンで開催中です。なお、岩波書店から比嘉さんによる遺骨写真についてのブックレットが刊行されました。写真も多く掲載されています。展覧会と併せてご覧下さい!

http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2707960/top.html

Saturday, October 30, 2010

【緊急告知】シンポジウムの中止と復活 ! 展覧会のオープン!


台風にシンポジウムが吹き飛ばされました。以下は、明治大学のホームページより。

「10月30日(土)に開催を予定しておりました明治大学人文科学研究所・第34回公開文化講座『沖縄と「戦世(いくさゆ)」の記憶』は,台風14号の接近が予想されますので,中止とさせて頂きます。 」

しかし ! 同日14時から同じ東京・御茶ノ水の明治大学近くに急遽場所を確保して、シンポジウムのパネリスト有志により、人文科学研究所の主催事業とは別に、以下の要領で会場を移してトークセッションを行います。ぜひご参加下さい。

復活トーク:『沖縄と「戦世(いくさゆ)」の記憶』
日時:10月30日(土)14:00〜17:00(予定) 終了後にパーティー。
場所:アミ 東京都千代田区神田小川町3-16-4 地階 
※明大通りを駿河台下に向かって歩き、明大リバティタワーの角を明大通りから右折して下った右側。
パネリスト:比嘉豊光(写真家)、合田正人、倉石信乃ほか。

また本日より「比嘉豊光写真展 骨からの戦世(いくさゆ)—65年目の沖縄戦」開催。
11月5日(金)までの短い会期ですので、お見逃しなく!

「比嘉豊光写真展 骨からの戦世(いくさゆ)—65年目の沖縄戦」

2010年10月29日(金)—11月5日(金) 無休 入場無料
10:00—18:00 ただし10/29は14:00から、11/5は15:00まで。

会場:明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン1F展示スペース
   JR御茶ノ水駅下車徒歩3分
主催:比嘉豊光写真展実行委員会
お問い合わせ:明治大学理工学部芸術学研究室 
電話044-934-7284 FAX044-934-7908

Tuesday, October 19, 2010

今日の写真2010、第11回


「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年11月号(199-203頁)。第11回目のゲストは、建築家の塚本由晴さん。東京工業大学の塚本研究室で収録。ミズラック、バッチェンの「時の宙吊り」展、建築と写真における「ヴァナキュラー」、木村友紀、建築と写真の関係などが話題に。

Sunday, October 17, 2010

対談「沖縄にとっての写真 写真にとっての沖縄」


発売中の『週刊読書人』の巻頭に今福龍太さんとの対談が掲載されています。

対談 今福龍太・倉石信乃(対談)「沖縄にとっての写真 写真にとっての沖縄」、『週刊読書人』2010年10月15日号、1-3面。

未来社から刊行中の「沖縄写真家シリーズ 琉球烈像」をめぐる対談です。ぜひご一読下さい。

Wednesday, October 13, 2010

HOUSE=WOMAN家=女 10月28日(木)から


ご案内

ARICA新作「house=woman家=女」

日増しに秋の気配を感じる今日この頃、皆様お元気でお過ごしでしょうか。

ARICA1年ぶりの新作公演のご案内です。

今回上演する『house=woman家=女』は、日本一の歓楽街である新宿・歌舞伎町にありながら、周囲の喧噪に交わらずに不思議な雰囲気をたたえたビルの地下空間を贅沢に使い上演をします。工場跡地、旧銀行などサイト・スペシフィックな空間で上演してきた ARICAが再び、この場所でしかなし得ないマジカルな時空を現出させる期待の新作公演です。

さらに、今まで「労働」をテーマに連作を創ってきた ARICAが、この公演では高名なギリシア悲劇「アンティゴネー」を背景としつつ、まったく新たな展開を行います。しかしそれは ARICAのやること、いわゆる古典劇の上演になりようはなく、悲しみ可笑しみを混ぜ込んだ、今まで見たこともない奇妙で刺激的な舞台になることでしょう。

満を持して、13回に渡って行われる今回の新作公演に、ぜひ足をお運びくださいますよう切にお願い申し上げます。
2010年初秋ARICA一同

◇◇ ◇◇

2010年 10月 28日(木) 29日(金) 30日(土) 31日(日)
11月 3日(祝・水) 4日(木) 5日(金) 6日(土) 7日(日) 11日(木) 12日(金) 13日(土) 14日(日)
開演時間: 木・金・土曜は 19:30祝日(11/3)及び日曜は 17:30
会場:A to Z(新宿区歌舞伎町 2-38-5 岡野ビル地下)


※全席自由受付開始は開演の 20分前を予定しております。
※会場は大変狭く、40席で満席ですので、お早めにお申し込み下さい。
※演出の都合上、開演後は入場ができませんので、予め御了承下さい。
※本会場は劇場ではございません。会場には電話がありませんので、お問い合わせは、下記までお願い致します。(電話080-1117-1571 ARICA制作:前田圭蔵)
※会場内には暖房・トイレ等の設備がありませんので、御了承下さい。
※公演日により、開演時間が異なりますのでご注意下さい。

チケットお申し込み
ARICAウェブサイト www.aricatheatercompany.com
FAX 042-575-4163(下記にご記入の上、ご送付ください。前売扱いは公演前日まで)
TEL 080-1117-1571 (前田圭蔵)


主催:ARICA Tel.080-1117-1571(前田) Tel.090-9245-3724(藤田)
www.aricatheatercompany.com

FAX送付票(送付先 042-575-4163)
お名前:
ご来場日時:   月   日
ご希望枚数:一般 枚 学生 枚
ご連絡先:
Te l.
email:
ご住所

*受付結果につきましては、完売になってしまった時のみご連絡いたします。
** お申し込みの際にご記入された個人情報は、ARICAが適正に管理いたします。

Tuesday, October 12, 2010

比嘉豊光写真展、明治大学アカデミーコモン


夏に佐喜眞美術館で開催された比嘉豊光さんの写真展が、29日(金)から明治大学にやって来ます。この機会にぜひご覧下さい!




比嘉豊光写真展 骨からの戦世(いくさゆ)—65年目の沖縄戦

2010年10月29日(金)—11月5日(金) 無休 入場無料
10:00—18:00 ただし10/29は14:00から、11/5は15:00まで。

会場:明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン1F展示スペース
   JR御茶ノ水駅下車徒歩3分
主催:比嘉豊光写真展実行委員会
お問い合わせ:明治大学理工学部芸術学研究室 
電話044-934-7284 FAX044-934-7908

今回比嘉は、日本兵たちの骨や脳髄や様々な備品の映像を携えてやって来る。しかし、骨や脳髄から何らかの記憶の物語を作り上げてはならない。表面の複雑な亀裂、ひび割れ、空隙、ざらつき、微細な付着物に留まることで、相互の物語とその説話主体を解いていくことが要請されているのかもしれない。(合田正人)

関連イベント:公開シンポジウム 沖縄と「戦世」の記憶
10月30日(土)午後1時—6時
会場:明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン2F A1—A3会議室
主催:明治大学人文科学研究所
聴講無料 事前申し込み不要
講師/パネリスト 比嘉豊光・合田正人・越川芳明・倉石信乃・浜口稔

Friday, October 8, 2010

『スナップショット』書評、英語教育


雑誌『英語教育』2010年10月号(大修館書店刊、96頁)に写真家の金村修さんによる拙著『スナップショット—写真の輝き』の書評が掲載されました。以下がその全文です。

写真は人間なんか写さない。

「見知らぬ他者との瞬時の出会い」(P.267)は、「見知らぬ他者」を瞬時に石にする。その石を宝石のような特別な石にするのではなく、どこにでもあるような路傍の石にかえる。石はどの石とも区別もつけられない。そして、いつまでも同じ形でその形態が変わることはない。石の上に、カメラは、チョークで殴り書きするように写真を撮る。それは碑文になるのかもしれないし、いつか誰にも見られないまま消えていく戯言かもしれない。「「チョークで書かれた碑文」というべき、矛盾したブレヒト的詩語」(P.202)石の上にチョークで殴り書きされたように書かれた写真は、露光不足、定着不足でいつかピンボケのような状態になってニエプスの写真のように不鮮明な染みになる。退色して空気に触れさせないようにして、集中治療室のような無残なニエプスの写真。集中治療室の無残さが写真であり、酸素ボンベをつけたままベッドの染みになることが写真なのだ。何度も反復展示されることで、ニエプスの写真は、何か決定的なことを写したものというよりも、染みや埃のようであり、それはまるでバージニア・ウルフの「壁の染み」の中の「不透明な色のバラの花の形の染み」や「トロイを三度埋められるほどの埃」、「壁の染みは穴などではない」。染みは穴という深さをもった遠近的存在ではなく、遠近法を放棄された染み。一体その染みが何だったのか誰も認識できない。 “かつてそこにあった”という存在の記憶は放棄され、何があったのか思い出せない染みの写真は、記憶との関連を失った染みや埃であり、それはもう痕跡にもならない。写真は記憶を抹消する。写真はロラン・バルトの「明るい部屋」に敵対する。記憶を抹消するために写真は撮られる。「人間も、その痕跡も、そのイメージさえも、完全に消滅させることがナチスの「奥義」」(P.91)なら、写真の「奥義」は被写体を染みや埃に、不透明で汚い白や黒に塗りつぶす。
(写真家 金村修)

金村さんと編集部のご厚意により、転載させていただきました。ちなみに『英語教育』の巻頭グラビアには、わが同僚の波戸岡景太さんのエッセイと写真「Everybody Loves Nevada: トウェイン以後のアメリカ西部をもとめて」が連載中。とても面白いです。

Thursday, October 7, 2010

東松照明写真集 camp OKINAWA


東松照明さんの新しい写真集に解説を書きました。「沖縄写真家シリーズ」の内の1冊です。


「東松照明の「基地」について」、東松照明著、仲里効・倉石信乃監修『沖縄写真家シリーズ[琉球烈像]第9巻 東松照明写真集 camp OKINAWA』未来社、2010年、119-129頁。

沖縄写真家シリーズの特設ページが出来ました。
http://ryukyu-retsuzou.com/

Wednesday, October 6, 2010

『スナップショット』書評、読売新聞

『スナップショット—写真の輝き』が10月3日(日)読売新聞書評欄「本よみうり堂」の「記者が選ぶ」で取り上げられました。以下のYOMIURI ONLINEにもアップされています。

http://www.yomiuri.co.jp/book/column/press/20101005-OYT8T00700.htm

Tuesday, October 5, 2010

ARICA @BankART、しかも今日!


本日10月5日(火19:30〜21:30)、ARICAが横浜・馬車道のBankART Studio NYK 3Fに登場します。朝倉摂展「アバンギャルド少女」関連企画で、首くくり栲象さんと安藤朋子が競演するパフォーマンスを行います。音楽は高橋永二郎のライブ演奏です。

http://www.bankart1929.com/news/pdf/asakura_theater.pdf

お時間ございましたら、ぜひお出かけくださいますようお願いいたします。

ちなみにARICAのホームページが最近リニューアルして充実しました。安藤朋子、藤田康城、前田圭蔵のプロフィールが読み物として楽しめます。ぜひご覧下さい。

http://www.aricatheatercompany.com/

なお、ARICAは今月末より、歌舞伎町の珍しいビルで新作「HOUSE=WOMAN」を発表します。
現在、演出家と役者と物書き(私)は激しいたたかいを繰り広げてきておりますが、この作品については追って詳細をお知らせします。

※写真は首くくり栲象さんと安藤朋子が競演した一昨年の「黒こげサンキュー」より。

Wednesday, September 29, 2010

締め切り間近!「アイヌ民俗の文化と歴史をふりかえる」講座

明治大学リバティアカデミーで「アイヌ」をテーマにした連続講座が開講されます。アイヌ民族の文化と歴史について、さまざまな観点からふりかえる、ユニークな企画で、同僚の浜口稔さんがコーディネートされました。私は第2回目、10月16日(土)の回を担当しています。しめきりが迫っていますので、もしご関心がある方は、お早めに!

タイトル:アイヌ民族の文化と歴史をふりかえる(全6回、毎週土曜日15時)
開講日:10月9日/16日/23日 11月6日/13日/20日(毎週土曜日)
申込み締め切り日:10月1日(金)
場所:明治大学駿河台校舎アカデミーコモン11階
受講料:全6回18000円(新規会員の方は別途入会金3000円)
申込み先:明治大学リバティアカデミー事務局
     TEL:03-3296-4423

講義内容

10月9日 アイヌ民族の文化と歴史をふりかえる(浜口稔)交易の民として極東アジアの陸と海で広範な活動を繰り広げ、狩猟採集の生活を実践する中からユニークな文化を築いたアイヌ民族の個性について語ります。

10月16日 歴史に見るアイヌ民族の記録 倉石信乃
開拓使に委嘱された明治初年の写真記録から現代の写真表現まで、「写された北海道」におけるアイヌの土地(風景)と人々(肖像)の一端を検証します

10月23日 アイヌ文化を伝承する(1)平田幸・工藤千秋・工藤真由美
アイヌの歴史の理解のために、一人のアイヌとして生きてきたこれまでの経験についてお話しします。また、アイヌ古式舞踊の実演によって、アイヌ文化に実際に触れていただきたいと思います。

11月6日 北海道・首都圏のアイヌとともに 関口由彦
私たちの身近な隣人である、首都圏に居住するアイヌの人びとの今の生活について理解し、違いを尊重しながら共に歩む道を模索していきたいと思います。

11月13日 いまに生きるアイヌ民族 宇井眞紀子
アイヌ民族に寄り添いながら1992年から撮影を続けてきました。スライド上映を交えながら、社会は変わったのか変わらないのか、その間感じたことをお話ししたいと思います。

11月20日 アイヌ文化を伝承する(2)星野工 居壁太
アイヌ文化の伝承活動に関して、とくに、ムックリ(口琴)、トンコリ(五弦琴)の実演とともに、当事者の立場から、その現状をお話します。

八戸、月山、土沢

9月22日(水)-23日(木)、ICANOF第10企画展「飢餓の國・飢餓村・字(あざ)飢餓の木」を見に八戸へ。吉増剛造さんの映画「八戸、蟻塚—章伍さんと」「月山、一番下を吹く風」「萬、巨人の足音」I〜IIIはいずれも素晴らしかった。行き帰り、車窓から雨の重みで実った稲が倒れているのを見る。

Tuesday, September 21, 2010

読谷、那覇、首里、伊江島


9月14日(火)〜19日(日)、沖縄へ。14日、読谷の比嘉豊光さんの仕事場にお邪魔して、10月下旬に始まる明治大学アカデミーコモンでの比嘉さんの写真展の打ち合わせと調査。今夏、佐喜眞美術館での「骨からの戦世 65年目沖縄戦 比嘉豊光展」の巡回展。15日-17日、首里にある沖縄県立芸大の集中講義。講義のあいだに、戦後の米軍による土地強制収容に対する抵抗拠点の一つである伊江島へのエクスカーション、沖縄県立図書館での写真熟覧を挟む。伊江島での抵抗運動のリーダーである阿波根昌鴻自身の撮影した写真について考えるためだが、いずれも県立芸大の土屋誠一さんに同道していただき、充実した講義期間になった。18日、那覇市民ギャラリー「フェンスOKINAWA II 石川真生写真展」。大城弘明写真集「地図にない村」出版記念パーティー。未来社から刊行が始まった沖縄写真家シリーズの最初の写真集。仲里効さんと同シリーズの監修を務めている。といっても実際、仲里さんをわずかに補佐するにすぎない。錚々たる方々(新川明氏、川満信一氏! ・・・)に混じって、どうにか祝辞を述べる。

Sunday, September 19, 2010

今日の写真2010、第10回

「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年10月号(215-219頁)。第10回目のゲストは、写真家の長島有里枝さん。THE TOKYO ART BOOK FAIR 2010、長島有里枝『SWISS』(写真集と写真展)、オノデラユキ「写真の迷宮へ」展、島尾伸三写真集『Someting Beautiful Might Happen』などが話題に。

Thursday, September 16, 2010

飢餓の國・飢餓村・字(あざ)飢餓の木


明日、9月17日(金)から26日(日)まで、八戸市立美術館で開催されるICANOF第10企画展「飢餓の國・飢餓村・字(あざ)飢餓の木」に、須山悠里と制作した映像作品「HOUSE-WOMAN」を出品します。同展には吉増剛造さんの映像作品、豊島弘尚さんの絵画も展示。

http://www.hi-net.ne.jp/icanof/html/exhibition/index.html

Thursday, September 9, 2010

サラダボウル展、明日から


ディジタルコンテンツ系の有志6人による展覧会「サラダボウル展」が、明日からギャラリーゼロで始まります(9月29日まで)。昨日、今日と展示作業に付き合いました。みんな考えていることは本当にバラバラですが、物を作ることで思考を活性化させようとする意欲は共通しているようです。ぜひご覧下さい。

生田図書館Gallery ZERO
サラダボウル展

会期 2010年9月10日(金)〜9月29日(水)
   (月〜金)10:00〜18:30 (土/日)10:00〜16:30 休館日なし
会場 明治大学生田図書館Gallery ZERO 川崎市多摩区東三田1-1-1 
   電話044-934-7945 ※一般の方もご来場いただけます。
主催 明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系
問い合わせ 明治大学倉石信乃研究室 電話044-934-7284 FAX 044-934-7908 

Saturday, September 4, 2010

採録 佐原宏臣写真展トークイベント

2010年6月12日(土)に東京・表参道画廊で行われた、佐原宏臣写真展トークイベント(佐原さん、ホンマタカシさん、倉石)が、下記サイトに採録されましたのでお知らせします。

http://twitter.com/between_books/

Monday, August 23, 2010

図録 126 POLAROID


先にお知らせしたポラロイドの展覧会のカタログが先行発売され、小論を寄稿しました。

「ポラロイドの時間」、神林優編『126 POLAROID さよならからの出会い展図録』赤々舎、2010年、135-138頁。
[英訳:"Polaroid Time," Yu Kanbayashi, ed., 126 POLAROID: Encounter from Goodbye(Tokyo: AKAAKA Art Publishing, 2010), 146-148.]


ポラロイドフィルムの中止をきっかけに2008年から始まった展覧会は、フィナーレに近づきました。29日(日)まで、横浜美術館アートギャラリー1で。この間、サミット・グローバル・ジャパンによって、ポラロイド復活に向けた取り組みが始まったのは嬉しいことです。
http://www.yaf.or.jp/yma/event_information/090_126_polaroid/
http://www.akaaka.com/blog/bl-100810-polaroid.html

Wednesday, August 18, 2010

今日の写真2010、第9回

「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年9月号(181-185頁)。第9回目のゲストは、日韓共同出版の写真雑誌『IANN』編集長を務め、IANNBOOKSで写真集出版も手がけるキム・ジョンウン氏。Seung Woo Back、Joo Myung Duck、梅佳代、長島有里枝、中平卓馬、吉増剛造が話題に。鼎談は7月30日(金)Zine's Mateの会場3331 Arts Chiyodaで行われた。

Monday, August 16, 2010

骨をめぐる思考 8.15から10.30へ


8/14-16沖縄、快晴でからっとしていた。佐喜眞美術館での比嘉豊光写真展「骨からの戦世」はもう少し風景写真がみたかったし、照明や展示方法にももう少し配慮がほしかったが、それでもなお、とてもいい展覧会に仕上がっていた。

8月15日(日)のシンポジウムについては、早速『沖縄タイムス』で報告されている。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-08-16_9310/

個人的には、やわなレトリックが通用しないことを改めて痛感した。
比嘉豊光写真展「骨からの戦世」は10月末から東京・駿河台の明治大学に巡回し、10月30日(土)には講演会とシンポジウムが予定されている。しっかり準備したい。

Monday, August 9, 2010

8.15比嘉豊光展シンポジウム パネリストの変更

標記イベントについて、パネリストの変更がありましたので、急ぎお知らせします。
以下は、美術評論家土屋誠一さんのブログからの転載です。
http://stsuchiya.exblog.jp/11680565/


【急告】パネリスト変更 「骨からの戦世―65年目の沖縄戦 比嘉豊光展」シンポジウム
先日、↓
http://stsuchiya.exblog.jp/11499311/
でお知らせした、沖縄宜野湾市・佐喜眞美術館でのシンポジウムですが、パネリストが変更になりました。

第2部に屋嘉比収さんのご登壇を予定していましたが、都合により、屋嘉比さんにかわって若林千代さんにご登壇いただくことになりました。
以下に改めて、シンポジウムの変更後の内容を掲示します。

シンポジウム「「骨」をめぐる思考」
開催日時:8月15日(日)14:00~
会場:佐喜眞美術館  
プログラム・コーディネーター:土屋誠一

(1)「写真の「残りのもの」――死/表象をめぐって」
パネリスト:
倉石信乃(詩人、批評家、明治大学准教授)
豊島重之(ICANOFキュレーター)
土屋誠一(美術批評家、沖縄県立芸術大学講師)

(2)「はたして「戦後」なのか?――遺骨の語るもの」
パネリスト:
北村毅(文化人類学、沖縄研究、早稲田大学客員准教授)
西谷修(フランス思想、戦争論、東京外国語大学教授)
若林千代(沖縄現代史、沖縄大学准教授)
司会:
土屋誠一

書評『スナップショット—写真の輝き』

『スナップショット—写真の輝き』の書評がいくつか出ています。

「倉石は人間の外に出て、写真の目を走査している。だが、主体的に書くほかない文章をもって、写真の目が見ているだろうことを記述するのは困難な挑戦と言わざるをえない。新たな批評意識の出現である」(鈴木一誌さん、『週刊読書人』2010年8月6日号・第2850号、6頁)

「写真家がカメラを通して見ようとしているものの大きさに、言葉で拮抗してやろう。この構えの大きな文章は、著者のそんな意思の表れなのではないか」(山内宏泰さん、「ブックガイド」、アサヒカメラ.net、以下のURLより)
http://www.asahicamera.net/info/bookguide/detail.php?idx=54

奇しくも重なるところのある評言をいただきました。

Saturday, August 7, 2010

126 Polaroid さよならからの出会い


本日から横浜美術館アートギャラリーで始まったポラロイド写真の展覧会に参加しています。
ぜひお立ち寄り下さい。

http://www.yaf.or.jp/yma/event_information/090_126_polaroid/

Monday, August 2, 2010

受賞作家フォーラム@東川


東川は、前回1999年に訪れた時よりフェスティバルに活気があり、またボランティアの人びとを含め見事に組織が運営されていた。空気は乾き、涼しくて気持ちがいい。8月1日(日)、当日に決まった受賞作家フォーラムの組み分けは以下のとおりでした。展示会場で実際の作品を前にしたトーク・セッションで、場所が移動していく形式。

1 小島一郎(飛騨野数右衛門賞)
高橋しげみ(青森県立美術館学芸員)、平野啓一郎(作家)、楠本亜紀(写真批評家、キュレーター)、倉石、佐藤時啓(モデレーター、写真家)

2 中川・オサム・ジェームス(新人賞)
平野正樹(写真家)、岡部あおみ(美術評論家)、笠原美智子(写真評論家)、野町和嘉(写真家)、佐藤

3 萩原義弘(特別賞)
岡部あおみ、浅羽克己(グラフィック・デザイナー)、野町、楠本、佐藤

4 陳敬寶(国際賞) 通訳:邱奕堅(1839当代画廊)
呉嘉寶(写真評論家)、山崎博(写真家)、浅葉、笠原、佐藤

5 北島敬三(年度賞)
平野啓一郎、岡部友子(東京都庭園美術館学芸員)、山崎、倉石、佐藤

twitterで少し実況されたようです。
http://photo-town.jp/
http://fotofes09.exblog.jp/
http://twitter.com/Higashikawa_PF

夕刻、雨が止み虹が出た。写真家とこれからなろうとする人、批評家、キュレーター、作家、デザイナー、編集者、そのいずれでもない人は、ほぼその別なくカメラのシャッターを切った。

Thursday, July 29, 2010

第26回東川町国際写真フェスティバル

第26回東川町国際写真フェスティバルのゲスト講師として、7月31日(土)、8月1日(日)に北海道東川町へ。
「ポートフォリオレビューツアー」(7/31、8/1)と、東川賞受賞作家フォーラム(8/1)に参加します。

今年の東川賞は、海外作家賞陳敬寶氏、国内作家賞北島敬三氏、新人作家賞オサム・ジェームス・中川氏、特別作家賞萩原義弘氏、
飛騨野数右衛門賞故・小島一郎氏がそれぞれ受賞。東川を訪れるのは1999年以来のことで、久しぶりです。

http://town.higashikawa.hokkaido.jp/phototown/photofesta.htm
http://fotofes09.exblog.jp/

Monday, July 26, 2010

Juvenile、夏


綿谷修さんの写真集『Juvenile』が刊行され、以下の文章を寄稿しました。長い旅の間にウクライナで遭遇した夏の川の子供たちの清々しい写真。

「外の子供」、Osamu Wataya『Juvenile』Rat Hole Gallery、2010年、n.p.[英訳:"Children of the Outside," trans. Yoshiaki Kai and Caroline Mikako Elder, in Osamu Wataya, Juvenile(Tokyo: Rat Hole Gallery, 2010), n.p.

出版に併せてラットホールギャラリーでは個展も開催中。本当に夏にふさわしい本と展覧会です。
http://www.ratholegallery.com/exhibitions/2010/04wataya/pub.htm
http://www.ratholegallery.com/exhibitions/2010/04wataya/intro.htm

Wednesday, July 21, 2010

骨の戦い


8月11日(水)〜23日(月)、沖縄・宜野湾市の佐喜眞美術館で開催される「骨からの戦世—65年目の沖縄戦 比嘉豊光展」に寄せた一文を最新号の『日本カメラ』に書きました。

「骨の戦い—比嘉豊光展に寄せて」、『日本カメラ』2010年8月号、270-271頁。

展覧会の情報は以下のとおりです。
http://sakima.jp/exhibition-next.html

8月15日(日)の終戦の日には、二つのセッションからなるシンポジウムが行われ、私も参加します。

関連シンポジウム 「骨」をめぐる思考
日時:8月15日(日)14時〜
会場:佐喜眞美術館 プログラム・コーディネーター:土屋誠一
1 「写真の「残りもの」—死/表象をめぐって」
パネリスト 
倉石信乃(詩人、批評家、明治大学准教授)
豊島重之(ICANOFキュレーター)
土屋誠一(美術批評家、沖縄県立芸術大学講師)

2 「はたして「戦後」なのか?—遺骨の語るもの」
パネリスト
北村毅(文化人類学、沖縄研究、早稲田大学客員准教授)
西谷修(フランス思想、戦争論、東京外国語大学教授)
屋嘉比収(日本近現代思想史、沖縄学、沖縄大学教授)
土屋誠一(司会)

Sunday, July 18, 2010

書評『現代写真論』

私の本『スナップショット—写真の輝き』が『アサヒカメラ』8月号の新刊紹介に掲載(222頁)。本号ではまた以下の書評を書きました。

シャーロット・コットン著『現代写真論 コンテンポラリーアートとしての写真のゆくえ』書評、『アサヒカメラ』2010年8月号、218頁。

今日の写真2010、第8回

「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年8月号(181-185頁)。第8回目のゲストは映画監督の西川美和さん。高校時代写真部だったという。石内都、浅田政志、ロバート・フランク、荒木経惟、そして西川監督の『ディアドクター』などが話題に。私事だが、「リアル」についてはうまく語ることができず、その気づきを語ることも奏功しないという(悪)循環に改めて思い至る。

Tuesday, July 6, 2010

「展示の時代」についての覚書

すでにお知らせしましたが、明治大学生田図書館Gallery ZEROではアイヌ文化・思想を紹介する展覧会が開催中。
http://www.lib-ref.jp/meiji/opennews/NewsViewAction.do?id=NS00000587

さて、最新号の図書館の紀要に以下の文章が掲載されました。美術館、図書館などの施設における展示の今日的状況について書きました。

「「展示の時代」についての覚書」、『図書の譜 明治大学図書館紀要』第14号、2010年3月、21-25頁。

ちなみに本号には、3月にディジタルコンテンツ系を修了した宇野澤昌樹君、大山宗哉君も寄稿しています。

Saturday, July 3, 2010

gozoCinè、詩、写真をめぐるトーク


明日、銀座のBLD Galleryで開催中の吉増剛造写真展「盲いた黄金の庭」のイベントとして、吉増剛造さん、八角聡仁さんとトークセッションを行います。新作映画(gozoCinè)の上映も予定されています。以下はギャラリーからの情報です。

■ アーティスト・トーク
「キセキ」と「キセキ」以後の“間に(アントル)”Ⅱ ― 新作gozoCinè他

出演 : 倉石信乃×八角聡仁×吉増剛造
日時 : 7月4日(日)15:00-17:00
料金 : 1000円 (お土産付)
定員 : 50名 (事前予約制/座席自由)
申込 : フォーム または TEL: 03-5524-3903 Email:info@bld-gallery.jp
詩人・批評家の倉石信乃氏と批評家の八角聡仁氏をお迎えして、「キセキ」以降の映像作品を見ながら、吉増剛造の詩と映像の世界に迫ります。

http://bld-gallery.jp/exhibition/100618yoshimasugozo.html

Wednesday, June 30, 2010

建築写真を拡張するために


日本建築学会の発行する『建築雑誌』最新号(特集 建築写真小史−建築写真を拡張するために)に寄稿しました。

「曖昧と極端−建築=写真ノート2010」、『建築雑誌』第125集・第1606号、2010年7月号、23、27頁。

中谷礼仁編集長によれば、同誌では1979年10月号久々の建築写真特集とのこと。表紙の渡辺義雄撮影の伊勢神宮が懐かしい。1991年、横浜美術館で渡辺さんの個展を急遽担当することになったのを思い出す。この年は以下の三つの展覧会に関わっていた。

*1991年4月6日(土曜)から5月8日(水曜)
生誕100年記念 マン・レイ展 自由なる美の冒険者
開催日数 28日 入場者数 36,773人

*1991年5月18日(土曜)から6月23日(日曜)
平成2年度文化功労者・記念 渡辺義雄写真展
開催日数 32日 入場者数 26,770人

*1991年10月13日(日曜)から12月15日(日曜)
セルフ1961-1991 ルーカス・サマラス展
開催日数 52日 入場者数 29,778人

http://www.yaf.or.jp/yma/archive/1181991/

Tuesday, June 29, 2010

骨にさわる


先週6月23日(水)24日(木)に沖縄を訪れた。23日は慰霊の日。17:30〜21:00、県立博物館・美術館で行われた「65年目の沖縄戦『骨からの戦世』」シンポジウムを聴く。「第1部:現場から」では、沖縄戦の戦死者の遺骨を収集するNPO「ガマフヤー」代表の具志堅隆松氏の講演。および昨夏から今春にかけて浦添市前田と那覇市真嘉比・西原で新たに発見された、100体を超える日本兵の遺骨を撮影した写真家・比嘉豊光氏の写真とビデオ作品を上映。激しくピントの外れるビデオカメラが捉えた、具志堅氏が頭蓋骨を洗っているうちにミイラ化した脳がこぼれ落ちてくるシークエンス、たぶん骨のさわり方(とカメラでのとらえ方)に感動。
「第2部:「骨のメッセージ」を考える」では比嘉氏に加え、詩人の高良勉氏、考古学者の安里進氏、沖縄現代史研究の豊見城和美氏、詩人・小説家の大城貞俊氏も加わったトークセッション。安里氏の提唱する遺骨を文化財とみなすことで発掘を公共事業化するプランなど、現実的な議論も多く勉強になった。
翌日、佐喜眞美術館で石内都展とその屋上から普天間基地の一部を見る。凪のようで恐ろしい時間。那覇に戻り激しい雨の中、宗元寺、天久宮と聖現寺、波上宮を回った。

Monday, June 28, 2010

いま、アイヌ文化を生きる


Gallery ZEROで今週末から開催される展覧会のお知らせです。
総合文化教室の同僚で図書館副館長、浜口稔さんの企画で、会期中カムイノミも行われます。

「いま、アイヌ文化を生きる」
アイヌモシリへの祈りと共生の思想を、祭具、民具、衣装、手工芸品、写真、カムイノミ、楽器(トンコリ、ムックリ)、歌(ウボボ)、古式舞踊(リムセ)に乗せておくる先住民族アイヌからのメッセージ

会期:2010年7月2日(金)〜7月26日(月)
開館時間:平日9:00〜19:00  土9:00〜18:30 日祝10:00〜16:30
会場:明治大学生田図書館Gallery ZERO
川崎市多摩区東三田1-1-1 phone 044-934-7945
小田急線生田下車、南口徒歩10分
主催 明治大学理工学部総合文化教室浜口研究室

カムイノミ&古式舞踊(図書館脇林地)
7月13日(火)10:30〜
アイヌ音楽&トーク(Gallery ZERO)
同日12:00〜
出演:星野工 居壁太 平田幸 工藤千秋 工藤真由美 近藤美奈子(関東在住アイヌの方々、他)

Sunday, June 27, 2010

ImaginAsia(想像亜洲)国際ワークショップ作品発表会!


明治大学大学院新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系では台湾の国立政治大学コミュニケーション学部と映像制作の国際ワークショップを進行中です。6月初めの台北での制作に続き,今月末には東京での制作を実施。

その最終発表会を以下のように開催いたします。

日時 6月30日(水)14:30~17:50
場所 駿河台キャンパス アカデミーコモン2階 A4・5会議室
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html
主催 明治大学大学院新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系

両大学院生による混成グループ,6グループがそれぞれの作品のプレゼンテーションを行います。どうぞご覧ください。

Friday, June 25, 2010

The Americans再考@慶応義塾大学

日本アメリカ文学会東京支部例会「演劇・表象」分科会でロバート・フランクについての発表を行うことになりました。

2010年6月26日(土)16:00〜17:00(質疑応答を含む)
慶應義塾大学 三田キャンパス  
西校舎2階521番教室

The Americans 再考――ロバート・フランクへのインタヴューに拠って

倉石信乃 (明治大学)

<発表要旨>
昨年(2009年)ワシントン・ナショナル・ギャラリーで開催された回顧展「Looking In:Robert Frank's The Americans」は、写真家・映画作家のロバート・フランク(1924年生まれ)のモニュメンタルな写真集The Americansのアメリカでの出版から数えて50周年を祝う企画であったが、特に試作のプリント、コンタクト・プリントなど、写真集へと結実するまでのプロセスに焦点が当てられたことに注目が集まった。
私は、「Looking In」展開催に併せて日本の出版社・邑元舎から刊行された限定版の写真集『The Americans, 81 Contact Sheets』(2009年)に収録するため、作家本人へのインタヴューを行なう機会を得た。本発表では、このインタヴューにおいて語られたフランク自身の回想に基づきながら、「Looking In」展の成果の一部を参照しつつ、The Americansの制作を通して作者の見つめたアメリカ社会と写真表現について再考する。またThe Americansの出版直後に、映画制作へと向かった展開についても、映像資料などを交えて言及する。

Saturday, June 19, 2010

今日の写真2010、第7回

「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年7月号(199-203頁)。第7回目のゲストは写真家の鷹野隆大さん。鷹野さんの写真「ワールドカップ」とサッカー文化、古屋誠一、フェリックス・ティオリエ、「侍と私」展、樋貝吉郎、川島小鳥などが話題に。今月号の特集「いま、目が離せないワークショップの世界」では、瀬戸正人、金村修、ホンマタカシ各氏のワークショッブ紹介と、鈴木理策・MOTOKO両氏の対談が掲載。

Wednesday, June 16, 2010

ディジタルコンテンツ系進学説明会


今週の金曜日、6月18日に、ディジタルコンテンツ系の大学院進学説明会を開催します。

生田地区:12時10分〜50分、中央校舎0303教室。
駿河台地区: 18時〜19時、リバティタワー1064教室。

http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/1275380687.pdf

管、宮下、福地、倉石の四つの研究室ごとに紹介します。ただし宮下研究室の紹介は生田地区のみで実施。
当日は、個別の進学相談も受け付けます。ぜひご参加下さい! 

Thursday, June 10, 2010

スナップショット−写真の輝き 本日配本

久しぶりの単著を出すことになりました。本日配本で、書店にならんで姿をあらわすのは週末以降です。

『スナップショット−写真の輝き』大修館書店、2010年。

定価2200円+税で、気軽に手にとっていただきやすい価格と体裁になっているかと思います。写真をご提供いただいた方々のご協力と、編集を担当された大修館書店の正木千恵さんのご尽力のおかけです。ありがとうございました!

http://plaza.taishukan.co.jp/shop/Product/Detail/30581
http://www.bk1.jp/product/03270240

収録される文章は次の通りです。

監視とスナップショット
彼女のワンピース 被爆資料と写真の現在
遭遇の技術 北島敬三のスナップショット
彼女あるいは私の分身 石内都『Mother's』
実家、あるいは表象のステージ 安村崇『日常らしさ』
群衆はみえない 土田ヒロミ『新・砂を数える』
すべての/ひとつのポジション 「日本の写真におけるさまざまな位置」展への感想
Ruin/Desolation Row 廃墟と写真をめぐって
ネガの手の叫びのために 石川直樹『NEW DIMENSION』
写真のシアトリカリティ
写真史へのコメント
監視の現在+ウォーカー・エヴァンズの「超越」

Wednesday, June 9, 2010

先週の台北

5月31日(月)〜6月5日(土)、国立政治大学伝播学院数位内容学科との国際共同ワークショップImaginAsiaの参加のために台北へ。当ディジタルコンテンツ系の同僚、管啓次郎さん、院生13名と。全行程は以下のとおりです。

http://excellence.comm.nccu.edu.tw/01_news_detail.php?sn=195

すでに管さんからいつもながら的確に速報されています。

http://monpaysnatal.blogspot.com/2010/06/blog-post_04.html

旧台湾神社へ至るかつての参道である中山北路を当地の建築家・研究者のガイドに拠って、ゆっくり歩いた経験は得難いものでした。院生たちの映像制作のワークショップは、この一本道を基軸とする「地図」と歩行経験を手がかりに行われました。

旅程の間はほぼ雨降りで映画を観るには最高の街のコンディション。ホウ・シャオシェンが理事長を務める映画館+ギャラリー、カフェの台北光點(SPOT)を訪れ、久しぶりに劇場で映画を観る。Stéphane Brizé監督のMademoiselle Chambonというベタなメロドラマ。息子との小学校の担任教師と恋に落ちる、労働者階級の男の話。クライマックスでは駅で待つ女教師と、駆け落ちをしようとする寸前で思いとどまり帰宅する、みたいな紋切り型の展開に、とても2009年製作の映画とは思えない。一方、作画的な洗練ぶりと役者たちの演技の技巧や情熱が生み出す凄まじいリアリティは、その説話論的な形骸とあまりに釣り合わない。もしくはメロドラマの自己目的化か。むかし観たAndré Téchiné監督のHôtel des Amériques(1981)を思い出した。絶対に傑作ではありえないがなぜか忘れることのできない類の映画。キーはたぶん役者の演技の異様な強度。Hôtel des Amériquesは、完成後ほどなく主演男優の自死した不幸な映画、そして(私には)Catherine Deneuveの出演した最良の映画。

Wednesday, June 2, 2010

古屋誠一メモワール.展 トークイベント

今週末、6月5日(土)18:30~20:00、東京都写真美術館で荒木経惟さん、笠原美智子さんとトークイベントに参加することになりました。

http://syabi.com/contents/exhibition/index-18.html

以下は写真美術館のHPからの転載です。

古屋誠一メモワール.「愛の復讐、共に離れて・・・」
会 期: 2010年5月15日 ( 土 ) ~ 7月19日 ( 月・祝 )
会 場:東京都写真美術館
休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
料 金:一般 800(640)円/学生 700(560)円/中高生・65歳以上 600(480)円
( )は20名以上団体および東京都写真美術館友の会、上記カード会員割引/小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料

トークイベント
2010年6月5日(土) 18:30~20:00  ゲスト:荒木経惟、倉石信乃
会場:東京都写真美術館 1階ホール(定員190 名)
※両日共に当日朝10時より1階受付にて本展覧会チケットをお持ちの方に整理券を配布します。先着順、番号順入場、自由席

○ゲスト:荒木経惟 (写真家)、倉石信乃 (明治大学大学院准教授/近現代美術史・写真史)
日時:6月5日(土)18:30~20:00
テーマ「愛の復讐、共に離れて…」
司会進行:笠原美智子(東京都写真美術館 事業企画課長)
「センチメンタルな旅」等、妻のポートレートでも知られる荒木経惟氏が語る古屋誠一作品とは?
古屋氏はかつて荒木氏の展覧会をヨーロッパで企画する等、80年代から交流があります。
今回はスペシャルゲストに倉石信乃氏を迎え、古屋作品を初期から知る写真家と批評家の視点からも、古屋作品の魅力を追究します。

※古屋誠一氏は体調不良により来日を見合わせることになりました。
当初予定していた対談イベントは、ゲストによるトークイベントとして開催いたします。
あらかじめご了承いただきますようお願いいたします。

Sunday, May 30, 2010

トークイベント 今日の写真2010@佐原宏臣写真展

ホンマタカシさん、タカザワケンジさんをお招きして、明日から開催される佐原宏臣写真展でトークセッションを行うことになりました。会期の最終日の撤収前です。

トーク・イベント「今日の写真2010@佐原宏臣写真展」
佐原宏臣×ホンマタカシ×倉石信乃 司会タカザワケンジ

日時 6月12日(土)16:00〜17:00
場所 表参道画廊 
  〒150-0001東京都渋谷区神宮前4-17-3アーク・アトリウムB-02
  tel+fax 03-5775-2469
入場無料

※佐原宏臣写真展「何らかの煙の影響」6月1日(月)〜12日(土)
12:00〜19:00(最終日は17:00まで)日曜休。
※トーク終了後、展覧会は終了となります。

http://www.omotesando-garo.com/link.10/sahara.html

Saturday, May 29, 2010

ImasiAsia 想像亞洲2010夏天的計画

6月1日(火)〜3日(木)、ディジタルコンテンツ系では、台北で国立政治大学(NCCU)コミュニケーション学部との共同ワークショップと、それに伴う講演・発表を行います。

http://comm.nccu.edu.tw/post/508

中には旧台湾神社(現・圓山大飯店)へ向かうかつての表参道(中山北路)を両大学の院生が取材するなどの企画も。

Thursday, May 27, 2010

pg press no.9 特集 写真のシアトリカリティ2

刊行間もないpg press no.9に寄稿しています。

「リアリズムの線−土門拳の戦後」、『photographers' gallery press』 no. 9、2010年5月、83-99頁。
「写真のシアトリカリティ−「北島敬三1975-1991」展関連トーク」(林道郎、北島敬三、前田恭二と)、同書、70-82頁。

今号もマイケル・フリードへのインタヴューをはじめ、読んでいてとても刺激になる記事が並んだ。ここから考え始めることのできることはいくつもある。フリードについては、独特の強引な概念の形成と具体的な作品への評価(趣味判断)のずれや摩擦のようなものに、いつも疑問を感じつつ同時に強く惹かれる。「これらの用語−被視性、隔離世界性、その他を含めて−すべて、言うべきことを表現する方法を見つけようとする過程で生み出していく、発明や即興のようなものなのです」。

http://www.pg-web.net/

photographers' gallery press no. 9
特集:写真のシアトリカリティ2

[インタビュー]
コンテンポラリー・フォトグラフィーと反演劇性の伝統
──マイケル・フリードに聞く  聞き手:甲斐義明

林道郎 マイケル・フリード『なぜ写真はいま、かつ
     てないほど美術として重要なのか』について
     の覚書
    
倉石信乃+林道郎+北島敬三+前田恭二
     写真のシアトリカリティ
    ──「北島敬三1975-1991」展関連トーク

前川修  シャーカフスキーのもうひとつのモダニズム
     ──ヴァナキュラー写真の形態学へ向けて

橋本一径 パスポート写真論

小原真史  「北方」の写真師たち
      ──『photographers' gallery press no. 8』に寄せて

[インタビュー]
「有用」な写真
──エリック・ケッセルス(ケッセルスクライマ─)に聞く 米田拓朗(本誌編集部)

飯沢耕太郎 ケッセルスクライマー効果──デジタル時代を軽やかに渡り歩く

Wednesday, May 26, 2010

フェリックス・ティオリエ、世田谷美術館

5月22日(土)世田谷美術館で開催中のフェリックス・ティオリエ展を見る。とても充実した写真展。コローを敬愛したティオリエの写真はたしかにバルビゾン派を彷彿とさせる絵画的なもの。一方、特に地方の農業と炭鉱の風景とそこに生きる人々の労働を主題にする点、その描き方にも注目する。明確に郷土誌的な資料制作の企図を持つ。同じ19世紀末から20世紀初頭に首都を中心に撮影したアジェと好対照で、この時代のフランス写真についての認識の地図に改訂を促される。リュミエールの顧客だったので、美しいオートクロームも見られる。

ちなみにこの企画は、かつて机を並べて一緒に仕事をした、元同僚の波多野啓子さん(現・はたのファインアーツ代表)の尽力で、粘り強く遺族と交渉するなどして10数年がかりで実現した。けっして派手とはいえない企画が、個人の情熱の集積に支えられつつ、結実していくのを見るのはうれしいことだ。

http://www.setagayaartmuseum.or.jp/
来年にはオルセーで回顧展が予定されているという。図録・広報・会場の文字まわりのデザインは近藤一弥さんで、ティオリエを理解するための見事な助けになっている。

Thursday, May 20, 2010

今日の写真2010 第6回

「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年6月号(183-187頁)。第6回目のゲストはスイスで少部数のZINEの出版を手がけているNieves代表のベンジャミン・サマホルダーさん。Linus Bills、Harmony Korine、Anders Edstrom、黒田光一、森山大道、高橋宗正、永禮賢、KiKi、河井美咲、『通学路』のシリーズの写真集などが話題に。150部のZINEをたくさん作って世界にばらまくという考えが面白い。

http://www.nieves.ch/

Wednesday, May 19, 2010

佐原宏臣写真展 何らかの煙の影響

私の企画した展覧会が月末から始まります。写真月間に併せて開催される、
表参道画廊での企画展で、今年で3回目です。ぜひご高覧下さい。

佐原宏臣写真展「何らかの煙の影響」は、2003年から2009年までの約7年間に亡くなった7人の親族の葬儀とその周辺をていねいに記録したものです。また、伯父の言動に焦点を当てながら、地方で営まれる法事の実際を見つめた、新作の短編映画「sakichi」(2010年、DVD、カラー、35分)を併せて上映します。また展覧会に併せて刊行された以下の出版物に寄稿しています。

佐原宏臣写真展「何らかの煙の影響」
会期=2010年5月31日[日]-6月12日[土]
会場=表参道画廊
企画=倉石信乃(写真評論家・明治大学准教授)

出版物
「親族のいる状態−佐原宏臣の写真と映画」、『佐原宏臣写真展 何らかの煙の影響』小冊子、2010年6月、n.p.

http://www.omotesando-garo.com/link.10/sahara.html

表参道画廊 東京都渋谷区神宮前4-17-3
アーク・アトリウム B02
TEL/FAX:03・5775・2469
E-mail: info@omotesando-garo.com

佐原宏臣(さはら ひろおみ)略歴

1973年 静岡県湖西市生まれ。
1995年 東京造形大学造形学部デザイン学科・写真専攻在学中、写真同人誌『回転』を同級生の森本美絵と刊行(翌96年に4号で休刊)。
1997年 大学を卒業。初めての個展「悲しみの風景 variations on the misery」(卒業制作展・東京造形大学)開催。毎日新聞社出版局クロニクル編集部でアシスタントとなり、『20世紀年表』などの書籍編集に携わる(翌98年まで)。
1998年 アルバム制作会社に営業カメラマンとして就職、主に学校行事を撮影する(2007年まで)。
2000年 個展「何らかの煙の影響」開催(東京・ガレリアQ)
2007年 アルバム制作会社を退職。以後も写真・映像制作を続ける傍ら、写真集の企画・編集や、写真展および映画に関わる広報印刷物のデザイン制作を手がける。
2010年 グループ展「この壁を飾るのは誰、この台上を埋めるのは君」(ビジュアルアーツギャラリー・東京)に参加。個展「何らかの煙の影響」開催(東京・サードディストリクトギャラリー)。現在、東京在住。

Saturday, April 17, 2010

今日の写真2010 第5回

「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年5月号(183-187頁)。第5回目のゲストは美術家の森村泰昌さん。東京都写真美術館で開催中の森村さんの展覧会「なにものかへのレクイエム」を中心に、志賀理江子、米田知子、太田順一の写真などが話題に。

Saturday, April 3, 2010

VIA MEDIA

ディジタルコンテンツ系の論集『VIA MEDIA』が完成しました。

私はARICAの1月のインド公演について寄稿しました。ツアーに同道しておられた宮本隆司さんの写真とともに掲載しています。

「デリー、冬の断想」、『VIA MEDIA』明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系、2010年3月、4-16頁。

『VIA MEDIA』の執筆者は、DC系専任・兼任の教員と、ディジタルコンテンツ学研究会の講師でお越しいただいた方が中心です。とても読みやすく、まためずらしい文章が並んでいます。なお当研究室で先頃修了した大塚真弓さんの修士論文の一部を採録しています。装幀と本文組版はこの4月から博士後期課程1期生でグラフィック・デザイナーの清岡秀哉さん。

以下が目次です。

表紙写真 北島敬三
Via Mediaについて 管啓次郎
デリー、冬の断想 倉石信乃(写真・宮本隆司)
アキハバラと麻布市兵衛町 陣野俊史
歌う人と踊る人 前田圭蔵
重なり合う境界 御園生涼子
うぬぼれ鏡のメディア論 波戸岡景太
コンピュータでエッシャーを超えられるか 杉原厚吉
「四次元のゲームメディア」を考える 宮下芳明
カムイのイォルを幻視する 浜口稔
ことばについて 石田尚志
荒木経惟試論「空」 大塚真弓
ヴェルナー・ヘルツォークと動物 管啓次郎
デザイン・ノート 清岡秀哉

Thursday, March 25, 2010

今日の写真2010 第4回

「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年4月号(209-213頁)。第4回目のゲストはアートディレクターの町口覚さん。町口さんの装幀したものを中心に、北野謙、野村佐紀子、佐内正史、渡辺洋一、花代、山中学、ヴィム・ヴェンダース、ロバート・フランクの写真集が話題に。

Wednesday, March 10, 2010

書評 Robert Frank: 81 Contact Sheets

日本の写真集もよく紹介されるJeffrey Ladd氏による写真集ブログに、
Robert Frank: 81 Contact Sheetsの書評が掲載されました。

http://5b4.blogspot.com/2010/03/robert-frank-81-contact-sheets.htm

Thursday, February 18, 2010

今日の写真2010 第3回

「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年3月号(197-201頁)。第3回目のゲストはギャラリスト、タカ・イシイギャラリー代表の石井孝之さん。長野重一、佐原宏臣、藤岡亜弥、徐美姫、三田村光土里、木村友紀、大辻清司、柴田敏雄、Liu Keの写真が話題に。恒例の桜特集号だが、245頁に笹岡啓子インタヴュー。

Friday, January 29, 2010

『未来』2月号 『フォトネシア』を読む

昨年12月20日(日)、東京外国語大学本郷サテライトキャンパスにおいて、著者の仲里効さんを招いて行われた『フォトネシア』公開セミナーの記録が、活字になりましたのでご紹介します。

倉石信乃・仲里効「『フォトネシア』を読む」、『未来』521号、2010年2月号、15-23頁。

仲里さんの本は以下をご参照下さい。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624710927

Thursday, January 21, 2010

今日の写真2010 第2回

「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年2月号(187-191頁)。第2回目のゲストは写真家の石川直樹さん。今井智己『光と重力』、石川さんの新刊『富士山にのぼる』、目黒区美術館の「"文化"資源としての〈炭鉱〉展」、そして「今日の写真」そのものが話題に。

Wednesday, January 20, 2010

ARICA「KIOSK-THE STAND」ニューデリー公演

1月14日(木)、ニューデリーの国立演劇学校(National School of Drama、NSD)主催の第12回国際演劇祭に、ARICAが招待され国立演劇学校近くの劇場「LTG」で、「KIOSK-THE STAND」を19:00からと21:30からの2回公演する。当日はリハーサルから公演まで終日暖房のない劇場にいてすっかり風邪を引いたが、本番の、特に初回はこれまでで最も熱くヴィヴィッドな反応を得た舞台となった。元・女綱渡りでいまはKIOSKの店員がただ水と新聞を売る準備をし続けるこの芝居は東京、横浜、ニューヨークで繰り返し発表したが、「反復」に内包される振幅や可能性という、物事のあるいは希望の基本を、改めてインドで会場の内外で教えられた。
翌15日(金)にはNSDで、演出家の藤田康城、主演の安藤朋子、制作の前田圭蔵と私は、英文学者で演劇評論家のJaved Malick氏をモデレーターにトーク・セッションを行なった。われわれの作品を見て下さった多くの学生・演劇関係者が、次の日も来て下さったことに心からの感謝を。だが主催者の確かな運営と熱心な聴衆も、この国の一端を示す指標に過ぎない。残った自由時間に訪れたオールド・デリーのマーケットやスィク教の寺院にも別種の鮮烈な印象を得た。ともあれもう少しみんなで続けてみよう。しかしこの時期デリーの夜霧は凄まじい。ほとんど何も見えなくなる。

http://www.nsdtheatrefest.com/kiosk.html

Friday, January 15, 2010

みえない城

私の研究室に所属する北村昂陽君の映画作品『みえない城』が、1月16日、今週土曜日から下北沢トリウッドで上映されます。2008年の秋葉原で起こった連続殺傷事件を題材にした問題作で、修士研究の一環として制作されたものです。

http://homepage1.nifty.com/tollywood/rs_sp/event.html

ぜひご覧いただければ幸いです。