Sunday, October 31, 2010

昨日の御礼 沖縄と戦世の記憶


昨日、中止となった公開文化講座『沖縄と「戦世(いくさゆ)」の記憶』は、大学近くのレストラン+パブ「アミ」地階で自主講座に形を変えて開催されました。台風のなかにもかかわらず大勢の方々にお越しいただき、有り難うございました。狭い中長時間立ってお聞き下さった方々にはご不自由をおかけしました。一方、参加していただいた方が作り出す、アンチームな雰囲気の中で真剣な議論ができたことは、パネリストとして嬉しかったです。審議応答の時、沖縄戦をたたかってそのまま遺骨の戻らず、足跡をたどることも困難な日本兵の親族の方からのご意見には、胸をつかれる思いがしました。出自や文脈をおいても、死者との関連を示す写真や言葉が、圧倒的な不在をわずかでも埋める手がかりになる、そうならざるをえないこと。

「骨からの戦世—65年目の沖縄戦 比嘉豊光写真展」は、11月5日(金)15:00まで、明治大学アカデミーコモンで開催中です。なお、岩波書店から比嘉さんによる遺骨写真についてのブックレットが刊行されました。写真も多く掲載されています。展覧会と併せてご覧下さい!

http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2707960/top.html

Saturday, October 30, 2010

【緊急告知】シンポジウムの中止と復活 ! 展覧会のオープン!


台風にシンポジウムが吹き飛ばされました。以下は、明治大学のホームページより。

「10月30日(土)に開催を予定しておりました明治大学人文科学研究所・第34回公開文化講座『沖縄と「戦世(いくさゆ)」の記憶』は,台風14号の接近が予想されますので,中止とさせて頂きます。 」

しかし ! 同日14時から同じ東京・御茶ノ水の明治大学近くに急遽場所を確保して、シンポジウムのパネリスト有志により、人文科学研究所の主催事業とは別に、以下の要領で会場を移してトークセッションを行います。ぜひご参加下さい。

復活トーク:『沖縄と「戦世(いくさゆ)」の記憶』
日時:10月30日(土)14:00〜17:00(予定) 終了後にパーティー。
場所:アミ 東京都千代田区神田小川町3-16-4 地階 
※明大通りを駿河台下に向かって歩き、明大リバティタワーの角を明大通りから右折して下った右側。
パネリスト:比嘉豊光(写真家)、合田正人、倉石信乃ほか。

また本日より「比嘉豊光写真展 骨からの戦世(いくさゆ)—65年目の沖縄戦」開催。
11月5日(金)までの短い会期ですので、お見逃しなく!

「比嘉豊光写真展 骨からの戦世(いくさゆ)—65年目の沖縄戦」

2010年10月29日(金)—11月5日(金) 無休 入場無料
10:00—18:00 ただし10/29は14:00から、11/5は15:00まで。

会場:明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン1F展示スペース
   JR御茶ノ水駅下車徒歩3分
主催:比嘉豊光写真展実行委員会
お問い合わせ:明治大学理工学部芸術学研究室 
電話044-934-7284 FAX044-934-7908

Tuesday, October 19, 2010

今日の写真2010、第11回


「今日の写真2010」、『アサヒカメラ』2010年11月号(199-203頁)。第11回目のゲストは、建築家の塚本由晴さん。東京工業大学の塚本研究室で収録。ミズラック、バッチェンの「時の宙吊り」展、建築と写真における「ヴァナキュラー」、木村友紀、建築と写真の関係などが話題に。

Sunday, October 17, 2010

対談「沖縄にとっての写真 写真にとっての沖縄」


発売中の『週刊読書人』の巻頭に今福龍太さんとの対談が掲載されています。

対談 今福龍太・倉石信乃(対談)「沖縄にとっての写真 写真にとっての沖縄」、『週刊読書人』2010年10月15日号、1-3面。

未来社から刊行中の「沖縄写真家シリーズ 琉球烈像」をめぐる対談です。ぜひご一読下さい。

Wednesday, October 13, 2010

HOUSE=WOMAN家=女 10月28日(木)から


ご案内

ARICA新作「house=woman家=女」

日増しに秋の気配を感じる今日この頃、皆様お元気でお過ごしでしょうか。

ARICA1年ぶりの新作公演のご案内です。

今回上演する『house=woman家=女』は、日本一の歓楽街である新宿・歌舞伎町にありながら、周囲の喧噪に交わらずに不思議な雰囲気をたたえたビルの地下空間を贅沢に使い上演をします。工場跡地、旧銀行などサイト・スペシフィックな空間で上演してきた ARICAが再び、この場所でしかなし得ないマジカルな時空を現出させる期待の新作公演です。

さらに、今まで「労働」をテーマに連作を創ってきた ARICAが、この公演では高名なギリシア悲劇「アンティゴネー」を背景としつつ、まったく新たな展開を行います。しかしそれは ARICAのやること、いわゆる古典劇の上演になりようはなく、悲しみ可笑しみを混ぜ込んだ、今まで見たこともない奇妙で刺激的な舞台になることでしょう。

満を持して、13回に渡って行われる今回の新作公演に、ぜひ足をお運びくださいますよう切にお願い申し上げます。
2010年初秋ARICA一同

◇◇ ◇◇

2010年 10月 28日(木) 29日(金) 30日(土) 31日(日)
11月 3日(祝・水) 4日(木) 5日(金) 6日(土) 7日(日) 11日(木) 12日(金) 13日(土) 14日(日)
開演時間: 木・金・土曜は 19:30祝日(11/3)及び日曜は 17:30
会場:A to Z(新宿区歌舞伎町 2-38-5 岡野ビル地下)


※全席自由受付開始は開演の 20分前を予定しております。
※会場は大変狭く、40席で満席ですので、お早めにお申し込み下さい。
※演出の都合上、開演後は入場ができませんので、予め御了承下さい。
※本会場は劇場ではございません。会場には電話がありませんので、お問い合わせは、下記までお願い致します。(電話080-1117-1571 ARICA制作:前田圭蔵)
※会場内には暖房・トイレ等の設備がありませんので、御了承下さい。
※公演日により、開演時間が異なりますのでご注意下さい。

チケットお申し込み
ARICAウェブサイト www.aricatheatercompany.com
FAX 042-575-4163(下記にご記入の上、ご送付ください。前売扱いは公演前日まで)
TEL 080-1117-1571 (前田圭蔵)


主催:ARICA Tel.080-1117-1571(前田) Tel.090-9245-3724(藤田)
www.aricatheatercompany.com

FAX送付票(送付先 042-575-4163)
お名前:
ご来場日時:   月   日
ご希望枚数:一般 枚 学生 枚
ご連絡先:
Te l.
email:
ご住所

*受付結果につきましては、完売になってしまった時のみご連絡いたします。
** お申し込みの際にご記入された個人情報は、ARICAが適正に管理いたします。

Tuesday, October 12, 2010

比嘉豊光写真展、明治大学アカデミーコモン


夏に佐喜眞美術館で開催された比嘉豊光さんの写真展が、29日(金)から明治大学にやって来ます。この機会にぜひご覧下さい!




比嘉豊光写真展 骨からの戦世(いくさゆ)—65年目の沖縄戦

2010年10月29日(金)—11月5日(金) 無休 入場無料
10:00—18:00 ただし10/29は14:00から、11/5は15:00まで。

会場:明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン1F展示スペース
   JR御茶ノ水駅下車徒歩3分
主催:比嘉豊光写真展実行委員会
お問い合わせ:明治大学理工学部芸術学研究室 
電話044-934-7284 FAX044-934-7908

今回比嘉は、日本兵たちの骨や脳髄や様々な備品の映像を携えてやって来る。しかし、骨や脳髄から何らかの記憶の物語を作り上げてはならない。表面の複雑な亀裂、ひび割れ、空隙、ざらつき、微細な付着物に留まることで、相互の物語とその説話主体を解いていくことが要請されているのかもしれない。(合田正人)

関連イベント:公開シンポジウム 沖縄と「戦世」の記憶
10月30日(土)午後1時—6時
会場:明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン2F A1—A3会議室
主催:明治大学人文科学研究所
聴講無料 事前申し込み不要
講師/パネリスト 比嘉豊光・合田正人・越川芳明・倉石信乃・浜口稔

Friday, October 8, 2010

『スナップショット』書評、英語教育


雑誌『英語教育』2010年10月号(大修館書店刊、96頁)に写真家の金村修さんによる拙著『スナップショット—写真の輝き』の書評が掲載されました。以下がその全文です。

写真は人間なんか写さない。

「見知らぬ他者との瞬時の出会い」(P.267)は、「見知らぬ他者」を瞬時に石にする。その石を宝石のような特別な石にするのではなく、どこにでもあるような路傍の石にかえる。石はどの石とも区別もつけられない。そして、いつまでも同じ形でその形態が変わることはない。石の上に、カメラは、チョークで殴り書きするように写真を撮る。それは碑文になるのかもしれないし、いつか誰にも見られないまま消えていく戯言かもしれない。「「チョークで書かれた碑文」というべき、矛盾したブレヒト的詩語」(P.202)石の上にチョークで殴り書きされたように書かれた写真は、露光不足、定着不足でいつかピンボケのような状態になってニエプスの写真のように不鮮明な染みになる。退色して空気に触れさせないようにして、集中治療室のような無残なニエプスの写真。集中治療室の無残さが写真であり、酸素ボンベをつけたままベッドの染みになることが写真なのだ。何度も反復展示されることで、ニエプスの写真は、何か決定的なことを写したものというよりも、染みや埃のようであり、それはまるでバージニア・ウルフの「壁の染み」の中の「不透明な色のバラの花の形の染み」や「トロイを三度埋められるほどの埃」、「壁の染みは穴などではない」。染みは穴という深さをもった遠近的存在ではなく、遠近法を放棄された染み。一体その染みが何だったのか誰も認識できない。 “かつてそこにあった”という存在の記憶は放棄され、何があったのか思い出せない染みの写真は、記憶との関連を失った染みや埃であり、それはもう痕跡にもならない。写真は記憶を抹消する。写真はロラン・バルトの「明るい部屋」に敵対する。記憶を抹消するために写真は撮られる。「人間も、その痕跡も、そのイメージさえも、完全に消滅させることがナチスの「奥義」」(P.91)なら、写真の「奥義」は被写体を染みや埃に、不透明で汚い白や黒に塗りつぶす。
(写真家 金村修)

金村さんと編集部のご厚意により、転載させていただきました。ちなみに『英語教育』の巻頭グラビアには、わが同僚の波戸岡景太さんのエッセイと写真「Everybody Loves Nevada: トウェイン以後のアメリカ西部をもとめて」が連載中。とても面白いです。

Thursday, October 7, 2010

東松照明写真集 camp OKINAWA


東松照明さんの新しい写真集に解説を書きました。「沖縄写真家シリーズ」の内の1冊です。


「東松照明の「基地」について」、東松照明著、仲里効・倉石信乃監修『沖縄写真家シリーズ[琉球烈像]第9巻 東松照明写真集 camp OKINAWA』未来社、2010年、119-129頁。

沖縄写真家シリーズの特設ページが出来ました。
http://ryukyu-retsuzou.com/

Wednesday, October 6, 2010

『スナップショット』書評、読売新聞

『スナップショット—写真の輝き』が10月3日(日)読売新聞書評欄「本よみうり堂」の「記者が選ぶ」で取り上げられました。以下のYOMIURI ONLINEにもアップされています。

http://www.yomiuri.co.jp/book/column/press/20101005-OYT8T00700.htm

Tuesday, October 5, 2010

ARICA @BankART、しかも今日!


本日10月5日(火19:30〜21:30)、ARICAが横浜・馬車道のBankART Studio NYK 3Fに登場します。朝倉摂展「アバンギャルド少女」関連企画で、首くくり栲象さんと安藤朋子が競演するパフォーマンスを行います。音楽は高橋永二郎のライブ演奏です。

http://www.bankart1929.com/news/pdf/asakura_theater.pdf

お時間ございましたら、ぜひお出かけくださいますようお願いいたします。

ちなみにARICAのホームページが最近リニューアルして充実しました。安藤朋子、藤田康城、前田圭蔵のプロフィールが読み物として楽しめます。ぜひご覧下さい。

http://www.aricatheatercompany.com/

なお、ARICAは今月末より、歌舞伎町の珍しいビルで新作「HOUSE=WOMAN」を発表します。
現在、演出家と役者と物書き(私)は激しいたたかいを繰り広げてきておりますが、この作品については追って詳細をお知らせします。

※写真は首くくり栲象さんと安藤朋子が競演した一昨年の「黒こげサンキュー」より。