Friday, December 12, 2014

『美術フォーラム21』第30号


『美術フォーラム21』第30号【特集:現代美術の歴史学—戦後の日本】に以下の一文を寄稿しました。

「中平卓馬と反ツーリズムの思考」、『美術フォーラム21』第30号、2014年11月、84-88頁。
http://www1.odn.ne.jp/daigo-shobo/contents/bf21/bf030.html

Wednesday, December 3, 2014

水—作品と図書の展示


きょうから、明治大学生田図書館ギャラリーゼロで、水をテーマにした展覧会がスタートしました。新域創造専攻ディジタルコンテンツ系管啓次郎研究室と私の研究室の企画で、写真家の赤阪友昭さん、美術家の中村絵美さんをゲストに迎えています。

私は近頃の旅の備忘録として撮影した写真をならべています。以下はその解説です。

《似島は明治天皇を軍の最高司令官として広島に大本営が置かれた日清戦争の時から、出征兵士が外地から帰国して検疫を受けるため一時滞在する要所となった。広島に原爆が落とされた直後、似島の検疫所にはおびただしい瀕死の被爆者が運び込まれては、その多くが息を引き取っていった。最期の望みは水。水を飲むこと。

 玄界灘に浮かぶ孤島・沖ノ島の祭祀遺跡から出土した奉献品を見る機会があった。ほどなく宗像三社のうち、宗像市田島の辺津宮と大島の中津宮を訪れて、大島から沖ノ島の沖津宮を遙かに遠望した。沖ノ島に上陸する機会は一年に一度、5月27日、日露戦争における日本海海戦に勝利した記念日に限って、200人の男性にのみ与えられる。本土から限りなく隔たった水域に、古代と近代が短絡する。その短絡が、クニの戦勝の記憶のためではなく、長く続くシマの水と森と鳥の戯れのためであれ!》

展覧会は1月8日(木)まで。