日本アメリカ文学会東京支部例会「演劇・表象」分科会でロバート・フランクについての発表を行うことになりました。
2010年6月26日(土)16:00〜17:00(質疑応答を含む)
慶應義塾大学 三田キャンパス
西校舎2階521番教室
The Americans 再考――ロバート・フランクへのインタヴューに拠って
倉石信乃 (明治大学)
<発表要旨>
昨年(2009年)ワシントン・ナショナル・ギャラリーで開催された回顧展「Looking In:Robert Frank's The Americans」は、写真家・映画作家のロバート・フランク(1924年生まれ)のモニュメンタルな写真集The Americansのアメリカでの出版から数えて50周年を祝う企画であったが、特に試作のプリント、コンタクト・プリントなど、写真集へと結実するまでのプロセスに焦点が当てられたことに注目が集まった。
私は、「Looking In」展開催に併せて日本の出版社・邑元舎から刊行された限定版の写真集『The Americans, 81 Contact Sheets』(2009年)に収録するため、作家本人へのインタヴューを行なう機会を得た。本発表では、このインタヴューにおいて語られたフランク自身の回想に基づきながら、「Looking In」展の成果の一部を参照しつつ、The Americansの制作を通して作者の見つめたアメリカ社会と写真表現について再考する。またThe Americansの出版直後に、映画制作へと向かった展開についても、映像資料などを交えて言及する。