Tuesday, April 29, 2008

およそ4000のスナップ

横浜美術館アートギャラリーで5月7日(水)まで開催中の「日本のファッション 写真とイラストでたどる昭和・平成のおしゃれ」を金曜日に見ました。1950年代から現在までのストリート・ファッションの変遷を、イラストのカットアウト約120点と約4000枚の写真でたどるもので、見ごたえがありました。もちろん自分の若い頃のファッションを懐かしく思い出すこともできますが、複数のアーカイヴから抽出されたドキュメントによって構成されたこの展覧会は、スナップショットという、欲望や好奇心に支えられたまなざしの本来性をよく伝えています。共立女子短期大学と横浜美術館との連携が非常にうまく機能した事例だと思います。

Thursday, April 10, 2008

太田省吾の仕事−未来への応答

現在発売中の『舞台芸術』(特集=太田省吾の仕事−未来への応答)第13号に、「失楽園再訪−太田省吾『乗合自動車の上の九つの情景』を読む」(62-72頁)を寄稿しました。昨年亡くなった劇作家・演出家の太田省吾の「戯曲」のなかでも、最初期の作品について書いたものです。「乗合自動車の上の九つの情景」は、後にユニークな「沈黙劇」を作っていった太田省吾の原点の一つに、折しも返還直前の「沖縄」への強い想いがあったことを示す作品です。
私が継続的に近年、演劇のカンパニーARICAで上演のためのテクストを書いているきっかけには、80年代に集中して見た太田省吾率いる転形劇場の作品から受けた強い衝撃があります。当時のいわゆる小劇場ブームにはあまり乗れませんでしたが、太田省吾と転形劇場の素晴らしい役者たちの作り上げる舞台には、演劇は苦手なはずなのに実際のめり込んでいきました。今回彼の演劇論集をまとめて読んでみて、極めてポレミックなことに驚きました。

Wednesday, April 9, 2008

ディジタルコンテンツ系のスタート

きょうは、この4月にスタートする明治大学大学院理工学研究科ディジタルコンテンツ系(修士課程)の学生諸君13名、専任で指導に当たる管啓次郎さん、宮下芳明さんとともに、日頃使用することになる共同研究室に机、椅子、機材を急ぎ整え、最初の本格的なミーティング。それぞれが長く自己紹介と質疑応答を行なった。途中、生田の中華料理店に移動してミーティングは続いた。なかなか個性的な顔ぶれが揃った。これまでとはカルチャーの違う、新しい仲間たちとの出会いをうまく活かして、面白い研究と実践を重ねて行ければいい。私も便乗して新しい何かを制作するためのスキルを習得したいと思う。