久しぶりの単著を出すことになりました。本日配本で、書店にならんで姿をあらわすのは週末以降です。
『スナップショット−写真の輝き』大修館書店、2010年。
定価2200円+税で、気軽に手にとっていただきやすい価格と体裁になっているかと思います。写真をご提供いただいた方々のご協力と、編集を担当された大修館書店の正木千恵さんのご尽力のおかけです。ありがとうございました!
http://plaza.taishukan.co.jp/shop/Product/Detail/30581
http://www.bk1.jp/product/03270240
収録される文章は次の通りです。
監視とスナップショット
彼女のワンピース 被爆資料と写真の現在
遭遇の技術 北島敬三のスナップショット
彼女あるいは私の分身 石内都『Mother's』
実家、あるいは表象のステージ 安村崇『日常らしさ』
群衆はみえない 土田ヒロミ『新・砂を数える』
すべての/ひとつのポジション 「日本の写真におけるさまざまな位置」展への感想
Ruin/Desolation Row 廃墟と写真をめぐって
ネガの手の叫びのために 石川直樹『NEW DIMENSION』
写真のシアトリカリティ
写真史へのコメント
監視の現在+ウォーカー・エヴァンズの「超越」
Thursday, June 10, 2010
Wednesday, June 9, 2010
先週の台北
5月31日(月)〜6月5日(土)、国立政治大学伝播学院数位内容学科との国際共同ワークショップImaginAsiaの参加のために台北へ。当ディジタルコンテンツ系の同僚、管啓次郎さん、院生13名と。全行程は以下のとおりです。
http://excellence.comm.nccu.edu.tw/01_news_detail.php?sn=195
すでに管さんからいつもながら的確に速報されています。
http://monpaysnatal.blogspot.com/2010/06/blog-post_04.html
旧台湾神社へ至るかつての参道である中山北路を当地の建築家・研究者のガイドに拠って、ゆっくり歩いた経験は得難いものでした。院生たちの映像制作のワークショップは、この一本道を基軸とする「地図」と歩行経験を手がかりに行われました。
旅程の間はほぼ雨降りで映画を観るには最高の街のコンディション。ホウ・シャオシェンが理事長を務める映画館+ギャラリー、カフェの台北光點(SPOT)を訪れ、久しぶりに劇場で映画を観る。Stéphane Brizé監督のMademoiselle Chambonというベタなメロドラマ。息子との小学校の担任教師と恋に落ちる、労働者階級の男の話。クライマックスでは駅で待つ女教師と、駆け落ちをしようとする寸前で思いとどまり帰宅する、みたいな紋切り型の展開に、とても2009年製作の映画とは思えない。一方、作画的な洗練ぶりと役者たちの演技の技巧や情熱が生み出す凄まじいリアリティは、その説話論的な形骸とあまりに釣り合わない。もしくはメロドラマの自己目的化か。むかし観たAndré Téchiné監督のHôtel des Amériques(1981)を思い出した。絶対に傑作ではありえないがなぜか忘れることのできない類の映画。キーはたぶん役者の演技の異様な強度。Hôtel des Amériquesは、完成後ほどなく主演男優の自死した不幸な映画、そして(私には)Catherine Deneuveの出演した最良の映画。
http://excellence.comm.nccu.edu.tw/01_news_detail.php?sn=195
すでに管さんからいつもながら的確に速報されています。
http://monpaysnatal.blogspot.com/2010/06/blog-post_04.html
旧台湾神社へ至るかつての参道である中山北路を当地の建築家・研究者のガイドに拠って、ゆっくり歩いた経験は得難いものでした。院生たちの映像制作のワークショップは、この一本道を基軸とする「地図」と歩行経験を手がかりに行われました。
旅程の間はほぼ雨降りで映画を観るには最高の街のコンディション。ホウ・シャオシェンが理事長を務める映画館+ギャラリー、カフェの台北光點(SPOT)を訪れ、久しぶりに劇場で映画を観る。Stéphane Brizé監督のMademoiselle Chambonというベタなメロドラマ。息子との小学校の担任教師と恋に落ちる、労働者階級の男の話。クライマックスでは駅で待つ女教師と、駆け落ちをしようとする寸前で思いとどまり帰宅する、みたいな紋切り型の展開に、とても2009年製作の映画とは思えない。一方、作画的な洗練ぶりと役者たちの演技の技巧や情熱が生み出す凄まじいリアリティは、その説話論的な形骸とあまりに釣り合わない。もしくはメロドラマの自己目的化か。むかし観たAndré Téchiné監督のHôtel des Amériques(1981)を思い出した。絶対に傑作ではありえないがなぜか忘れることのできない類の映画。キーはたぶん役者の演技の異様な強度。Hôtel des Amériquesは、完成後ほどなく主演男優の自死した不幸な映画、そして(私には)Catherine Deneuveの出演した最良の映画。
Wednesday, June 2, 2010
古屋誠一メモワール.展 トークイベント
今週末、6月5日(土)18:30~20:00、東京都写真美術館で荒木経惟さん、笠原美智子さんとトークイベントに参加することになりました。
http://syabi.com/contents/exhibition/index-18.html
以下は写真美術館のHPからの転載です。
古屋誠一メモワール.「愛の復讐、共に離れて・・・」
会 期: 2010年5月15日 ( 土 ) ~ 7月19日 ( 月・祝 )
会 場:東京都写真美術館
休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
料 金:一般 800(640)円/学生 700(560)円/中高生・65歳以上 600(480)円
( )は20名以上団体および東京都写真美術館友の会、上記カード会員割引/小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料
トークイベント
2010年6月5日(土) 18:30~20:00 ゲスト:荒木経惟、倉石信乃
会場:東京都写真美術館 1階ホール(定員190 名)
※両日共に当日朝10時より1階受付にて本展覧会チケットをお持ちの方に整理券を配布します。先着順、番号順入場、自由席
○ゲスト:荒木経惟 (写真家)、倉石信乃 (明治大学大学院准教授/近現代美術史・写真史)
日時:6月5日(土)18:30~20:00
テーマ「愛の復讐、共に離れて…」
司会進行:笠原美智子(東京都写真美術館 事業企画課長)
「センチメンタルな旅」等、妻のポートレートでも知られる荒木経惟氏が語る古屋誠一作品とは?
古屋氏はかつて荒木氏の展覧会をヨーロッパで企画する等、80年代から交流があります。
今回はスペシャルゲストに倉石信乃氏を迎え、古屋作品を初期から知る写真家と批評家の視点からも、古屋作品の魅力を追究します。
※古屋誠一氏は体調不良により来日を見合わせることになりました。
当初予定していた対談イベントは、ゲストによるトークイベントとして開催いたします。
あらかじめご了承いただきますようお願いいたします。
http://syabi.com/contents/exhibition/index-18.html
以下は写真美術館のHPからの転載です。
古屋誠一メモワール.「愛の復讐、共に離れて・・・」
会 期: 2010年5月15日 ( 土 ) ~ 7月19日 ( 月・祝 )
会 場:東京都写真美術館
休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
料 金:一般 800(640)円/学生 700(560)円/中高生・65歳以上 600(480)円
( )は20名以上団体および東京都写真美術館友の会、上記カード会員割引/小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料
トークイベント
2010年6月5日(土) 18:30~20:00 ゲスト:荒木経惟、倉石信乃
会場:東京都写真美術館 1階ホール(定員190 名)
※両日共に当日朝10時より1階受付にて本展覧会チケットをお持ちの方に整理券を配布します。先着順、番号順入場、自由席
○ゲスト:荒木経惟 (写真家)、倉石信乃 (明治大学大学院准教授/近現代美術史・写真史)
日時:6月5日(土)18:30~20:00
テーマ「愛の復讐、共に離れて…」
司会進行:笠原美智子(東京都写真美術館 事業企画課長)
「センチメンタルな旅」等、妻のポートレートでも知られる荒木経惟氏が語る古屋誠一作品とは?
古屋氏はかつて荒木氏の展覧会をヨーロッパで企画する等、80年代から交流があります。
今回はスペシャルゲストに倉石信乃氏を迎え、古屋作品を初期から知る写真家と批評家の視点からも、古屋作品の魅力を追究します。
※古屋誠一氏は体調不良により来日を見合わせることになりました。
当初予定していた対談イベントは、ゲストによるトークイベントとして開催いたします。
あらかじめご了承いただきますようお願いいたします。
Sunday, May 30, 2010
トークイベント 今日の写真2010@佐原宏臣写真展
ホンマタカシさん、タカザワケンジさんをお招きして、明日から開催される佐原宏臣写真展でトークセッションを行うことになりました。会期の最終日の撤収前です。
トーク・イベント「今日の写真2010@佐原宏臣写真展」
佐原宏臣×ホンマタカシ×倉石信乃 司会タカザワケンジ
日時 6月12日(土)16:00〜17:00
場所 表参道画廊
〒150-0001東京都渋谷区神宮前4-17-3アーク・アトリウムB-02
tel+fax 03-5775-2469
入場無料
※佐原宏臣写真展「何らかの煙の影響」6月1日(月)〜12日(土)
12:00〜19:00(最終日は17:00まで)日曜休。
※トーク終了後、展覧会は終了となります。
http://www.omotesando-garo.com/link.10/sahara.html
トーク・イベント「今日の写真2010@佐原宏臣写真展」
佐原宏臣×ホンマタカシ×倉石信乃 司会タカザワケンジ
日時 6月12日(土)16:00〜17:00
場所 表参道画廊
〒150-0001東京都渋谷区神宮前4-17-3アーク・アトリウムB-02
tel+fax 03-5775-2469
入場無料
※佐原宏臣写真展「何らかの煙の影響」6月1日(月)〜12日(土)
12:00〜19:00(最終日は17:00まで)日曜休。
※トーク終了後、展覧会は終了となります。
http://www.omotesando-garo.com/link.10/sahara.html
Saturday, May 29, 2010
ImasiAsia 想像亞洲2010夏天的計画
6月1日(火)〜3日(木)、ディジタルコンテンツ系では、台北で国立政治大学(NCCU)コミュニケーション学部との共同ワークショップと、それに伴う講演・発表を行います。
http://comm.nccu.edu.tw/post/508
中には旧台湾神社(現・圓山大飯店)へ向かうかつての表参道(中山北路)を両大学の院生が取材するなどの企画も。
http://comm.nccu.edu.tw/post/508
中には旧台湾神社(現・圓山大飯店)へ向かうかつての表参道(中山北路)を両大学の院生が取材するなどの企画も。
Thursday, May 27, 2010
pg press no.9 特集 写真のシアトリカリティ2
刊行間もないpg press no.9に寄稿しています。
「リアリズムの線−土門拳の戦後」、『photographers' gallery press』 no. 9、2010年5月、83-99頁。
「写真のシアトリカリティ−「北島敬三1975-1991」展関連トーク」(林道郎、北島敬三、前田恭二と)、同書、70-82頁。
今号もマイケル・フリードへのインタヴューをはじめ、読んでいてとても刺激になる記事が並んだ。ここから考え始めることのできることはいくつもある。フリードについては、独特の強引な概念の形成と具体的な作品への評価(趣味判断)のずれや摩擦のようなものに、いつも疑問を感じつつ同時に強く惹かれる。「これらの用語−被視性、隔離世界性、その他を含めて−すべて、言うべきことを表現する方法を見つけようとする過程で生み出していく、発明や即興のようなものなのです」。
http://www.pg-web.net/
photographers' gallery press no. 9
特集:写真のシアトリカリティ2
[インタビュー]
コンテンポラリー・フォトグラフィーと反演劇性の伝統
──マイケル・フリードに聞く 聞き手:甲斐義明
林道郎 マイケル・フリード『なぜ写真はいま、かつ
てないほど美術として重要なのか』について
の覚書
倉石信乃+林道郎+北島敬三+前田恭二
写真のシアトリカリティ
──「北島敬三1975-1991」展関連トーク
前川修 シャーカフスキーのもうひとつのモダニズム
──ヴァナキュラー写真の形態学へ向けて
橋本一径 パスポート写真論
小原真史 「北方」の写真師たち
──『photographers' gallery press no. 8』に寄せて
[インタビュー]
「有用」な写真
──エリック・ケッセルス(ケッセルスクライマ─)に聞く 米田拓朗(本誌編集部)
飯沢耕太郎 ケッセルスクライマー効果──デジタル時代を軽やかに渡り歩く
「リアリズムの線−土門拳の戦後」、『photographers' gallery press』 no. 9、2010年5月、83-99頁。
「写真のシアトリカリティ−「北島敬三1975-1991」展関連トーク」(林道郎、北島敬三、前田恭二と)、同書、70-82頁。
今号もマイケル・フリードへのインタヴューをはじめ、読んでいてとても刺激になる記事が並んだ。ここから考え始めることのできることはいくつもある。フリードについては、独特の強引な概念の形成と具体的な作品への評価(趣味判断)のずれや摩擦のようなものに、いつも疑問を感じつつ同時に強く惹かれる。「これらの用語−被視性、隔離世界性、その他を含めて−すべて、言うべきことを表現する方法を見つけようとする過程で生み出していく、発明や即興のようなものなのです」。
http://www.pg-web.net/
photographers' gallery press no. 9
特集:写真のシアトリカリティ2
[インタビュー]
コンテンポラリー・フォトグラフィーと反演劇性の伝統
──マイケル・フリードに聞く 聞き手:甲斐義明
林道郎 マイケル・フリード『なぜ写真はいま、かつ
てないほど美術として重要なのか』について
の覚書
倉石信乃+林道郎+北島敬三+前田恭二
写真のシアトリカリティ
──「北島敬三1975-1991」展関連トーク
前川修 シャーカフスキーのもうひとつのモダニズム
──ヴァナキュラー写真の形態学へ向けて
橋本一径 パスポート写真論
小原真史 「北方」の写真師たち
──『photographers' gallery press no. 8』に寄せて
[インタビュー]
「有用」な写真
──エリック・ケッセルス(ケッセルスクライマ─)に聞く 米田拓朗(本誌編集部)
飯沢耕太郎 ケッセルスクライマー効果──デジタル時代を軽やかに渡り歩く
Wednesday, May 26, 2010
フェリックス・ティオリエ、世田谷美術館
5月22日(土)世田谷美術館で開催中のフェリックス・ティオリエ展を見る。とても充実した写真展。コローを敬愛したティオリエの写真はたしかにバルビゾン派を彷彿とさせる絵画的なもの。一方、特に地方の農業と炭鉱の風景とそこに生きる人々の労働を主題にする点、その描き方にも注目する。明確に郷土誌的な資料制作の企図を持つ。同じ19世紀末から20世紀初頭に首都を中心に撮影したアジェと好対照で、この時代のフランス写真についての認識の地図に改訂を促される。リュミエールの顧客だったので、美しいオートクロームも見られる。
ちなみにこの企画は、かつて机を並べて一緒に仕事をした、元同僚の波多野啓子さん(現・はたのファインアーツ代表)の尽力で、粘り強く遺族と交渉するなどして10数年がかりで実現した。けっして派手とはいえない企画が、個人の情熱の集積に支えられつつ、結実していくのを見るのはうれしいことだ。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/
来年にはオルセーで回顧展が予定されているという。図録・広報・会場の文字まわりのデザインは近藤一弥さんで、ティオリエを理解するための見事な助けになっている。
ちなみにこの企画は、かつて机を並べて一緒に仕事をした、元同僚の波多野啓子さん(現・はたのファインアーツ代表)の尽力で、粘り強く遺族と交渉するなどして10数年がかりで実現した。けっして派手とはいえない企画が、個人の情熱の集積に支えられつつ、結実していくのを見るのはうれしいことだ。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/
来年にはオルセーで回顧展が予定されているという。図録・広報・会場の文字まわりのデザインは近藤一弥さんで、ティオリエを理解するための見事な助けになっている。
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