Thursday, November 8, 2007

先週の沖縄

先週1週間を沖縄で過ごした。那覇市民ギャラリーで行われた「写真0年 沖縄」の展示に立ち会い、関連シンポジウムに出席するためだった。展覧会は三人の出品作家、比嘉豊光、北島敬三、浜昇が長い討議を通じて作り上げたもので、迫力に満ちていた。私は展示構成を担当したが、三人の思いの強さを損なわないことだけを考えればよかった。シンポジウムでは、演出家で展覧会のキュレーションも手がける豊島重之さんの司会により、沖縄県立美術館学芸員の翁長直樹さん、東京国立近代美術館主任研究官の鈴木勝雄さんと、「写真0年 沖縄展」、県立美術館の開館記念展「沖縄文化の軌跡1872-2007」、来年東京国立近代美術館で予定されている「沖縄」展について話した。個人的には、重い課題の残る議論の場となった。自分がライブの速度に追いつけず、こわばりのうちにあり得べき軌道をそれて、単調な形をなぞりながらわだかまっていく。そんな違和ともどかしさを感じていた。そうしたずれや遅れを解消するというのではなしに、自発的なコトバの明るさや暗さ、起伏をそのままに率直に語ることができればいいのだが、とても難しいことだ。そしてこういう試しはこれからも続くに違いない。

展覧会に併せ、沖縄と写真をめぐる多くの論考を集めた本『photographers' gallery press 別冊 写真0年 沖縄』が出来ました。私は「写真は反復する−沖縄写真1853-1945」(106-113頁)、「報道と教育−戦時下の木村伊兵衛」(157-166頁)という二つの文章を寄せています。詳しくはこちらから。ぜひ手にとってみて下さい。http://www.pg-web.net/