Friday, March 2, 2012

東東北へ

2月27日(月)〜29日(水)福島市から岩手県下閉伊郡田野畑村まで北上する。いま頭の整理がつくことを少し書きおく。二つのミュージアムを訪れた。南三陸町と気仙沼市が運営する休館中のリアス・アーク美術館で、学芸係長の山内宏泰さんにお話をうかがう機会を得た。瓦礫が更地に変わるなか、ほかならぬ瓦礫の中から被災した事物を収集していく活動に共感する。地域の美術館としての着実な展開を基礎に、震災の記憶を保存・展示するという新たな役割を担おうとする、再開後の山内さんたちの活動に注目していきたい。田野畑村立民俗資料館では幕末に起こった「三閉伊一揆」のあらましをたどる展示を見た。過重な課税を続ける盛岡藩の圧政によって飢渇(けがづ)に苛まれていた農民たち。自らの要求をついに藩に認めさせた佐々木弥五兵衛と畠山太助たちの知恵と行動力、そして言葉の力に瞠目した。筵旗に「小◯」(困る)の墨文字。