Wednesday, July 4, 2007

日の重さ

7月3日(火)明治大学生田校舎メディア・ホールで、トヨダヒトシさんのスライド上映会が行われた。

ニューヨークでの日々の暮らしが、少ない字幕とともに写し出されるトヨダ作品「ゾウノシッポ」三部作は、
とてもエモーショナルだった。
私たちが通りすぎてしまい見落としてしまう、あえかな日常の細部を、
たちどまってあらためてすくい上げて形にしていくと、あのように、
余りにも感情にあふれた映像が積み重なっていくのか。あるいは写真というものが、
もともと人間の感情を受け止める容器として出来ているのか。
明滅が繰り返される日常の断片の映像、それはとても「重い」ものだった。

上映後、トヨダさんは自作について率直に話してくれた。
・(スライド上映という)「立ち止まれなさ」が大切。
・撮れなかったこと、写っていないことも、撮った写真と同じくらい大事。
・イメージが現れている時よりも消えていく時のことを見てほしい。
・写真の「嘘つきやすさ」に気づいてしばらく写真を止めた。
・日常の中で、ふと気づくと周りが変化している、周囲が「旅をしている」のだ。

トヨダさんはこの夏、各地でスライドショーを開催する。
もう一度見てみたいと思った。

7月13日(金)+14日(土) タカイシイ・ギャラリー
8月17日(金) 旧宮本小学校校庭
8月20日(月) 東京都現代美術館
8月31日(金)〜9月2日(日) photographers' gallery
詳しくはwww.takaishiigallery.com/news/