Friday, August 30, 2019

ギヨーム・シモノー『マーダー』

カナダの写真家ギヨーム・シモノーの新刊写真集の付録にエッセーを寄稿しました。

Shino Kuraishi, "Crows As Messengers of Good News," in a booklet of Guillaume Simoneau Murder(Mack, 2019), n.p.【和文:「カラスたち、または果報の使者」ギヨーム・シモノー『マーダー』付録、マック、2019年、n.p.】

写真集は、深瀬昌久の写真集『鴉』に対するオマージュであり、かつシモノー自身による、鴉という生き物とその比喩形象をめぐるオルタナティヴな私的注釈のようです。

Wednesday, August 28, 2019

書評 根間智子『Simulacre』

根間智子さんの写真集『Simulacre』の書評を書きました。

「書評 根間智子『Simulacre』」、『琉球新報』2019年8月25日朝刊、20頁。

しばらくはネットでも読めると思います。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-977618.html

写真集の情報は、小舟舎HPから。
https://kobunesha.com

Tuesday, August 27, 2019

シヒアカリ:blind brightness



豊島重之さんの企画原案による「書とダンスのディプティク2019「シヒアカリ:blind brightness 」」が今週末8月30(金)、31日(土)、9月1日(日)の3日間、八戸ポータルミュージアムはっちで開催されます。8月30日の講演とトーク、31日のトークに参加します。

タイトルの「シヒアカリ」は宮澤賢治の文語詩「ながれたり」から採られています。おそらく水害の情景を綴ったと思われ、「人と屍」が未分化なまま、ひたすら流れていく恐ろしい詩ですが、豊島さんが最も注目したのは「陰極線の盲(しひ)あかり」という、むしろ静謐な光陰、青白い色温度のようです。

Sunday, August 25, 2019

2019年夏の旅

7月15日(日)〜19日(金) 学生たちと国際学会+シンポジウムImaginAsia 2019へ。シンガポールの南洋美術学院。一部プログラムが東南アジア美術フォーラムとの共同開催となり、パフォーミング・アーツ関係者の参加も想定されたため、私はARICAの活動について発表を行う。国立博物館の日本統治時代の常設展が充実している。昭南神社跡のある、郊外の奥深い森を散策する。次年度のImaginAsia はタイで開催が決定。


7月27日(土) 覇・銘苅小学校で山城知佳子作・演出の舞台「あなたをくぐり抜けて」を観る。身体的なミメーシスを通じて、いかに字義的に記憶の継承へ接近するかという持続的な試みの、現時点における集大成に思える。同時に、「りっかりっかフェスタ」(=国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ)いう枠組みを吟味しつつ、小学校という特殊な場所を逆にうまく活用して、その複合的でアシメトリーな構成を、リアルタイムのむしろシンプルな強度を持つ劇空間へと転移させていた。

8月3日(土)・4日(日) 今年度から審査員を務めている「東川賞」の授賞式とフォーラム参加のために、東川町へ。受賞作家を囲むフォーラムでは、太田順一氏、奥山淳志氏、ローズマリー・ラング氏のセッションに加わる。5日(月)・6日(火)、東川を離れ北海道の友人たちの導きにより、天塩川沿いに北上して稚内に至る。

写真は、戦時下に水銀鉱山があり、多くの「徴用工」も働いていたという、美深町小車地区付近のいま。