Friday, March 28, 2025

『全身詩人、吉増剛造』出版記念トーク&パフォーマンス

 昨年3月8日に美学校で行われた、『全身詩人、吉増剛造』(林浩平著)出版記念トーク&パフォーマンス第一部が、YouTubeチャンネル「吉増剛造 gozo's DOMUS」にアップされました。

https://www.youtube.com/watch?v=cun8lZRfU7w


Thursday, January 30, 2025

三田文學 特集 吉増剛造


『三田文学』最新号の「特集 吉増剛造」に、以下の文章を寄稿しました。

「擬態と受容」、『三田文學』2025年冬季号、第104巻第160号、2025年2月、124-126頁。

Wednesday, January 22, 2025

怒りを、未来に向けての私を問う激しさを

 ひとつのフレームが、シャッターに置かれた指のわずかな動きが、一瞬の時―世界を凝視し固定(凝結)する、そしてそこに、ゆるぎない世界を、完璧な世界を出現させる。しかし世界はゆるぎないものなのか、それほどに整ったものなのか、心はゆるぎないものなのか、確信に満ちたものなのか、いやそうではない。世界は安定などせず、いくつもの対立さえする層をもった複合的な、相反する価値と判断の結合を含んだやわらかな不定の存在なのだ、そして心もまた、あまりに曖昧なとりとめのないものではないか。あるいは展覧会の後半は、その甘美な写真の魅力の虜となることへの拒否という思いがあったのではないだろうか。世界の、複合的な構造には複合的な視線(視点)を、組み合わせていく。いくつもの異なった断片(イマージュ)を寄せ集め重ねていく、いくつもの異なった手法と技術を重ねていく、写真の配列を変え、ことばやスクラッチといった異物を加え、時間を混乱させ、放り出す。この展覧の後半の作品たちは、あまりに前半と趣を異にしている。そして、現在という時点での重要度は、あきらかに後半の作品群にあるだろう。

 ……すでに、過去ではなく問題は現在であり、これからの明日の時間なのである。ひとつの視点から世界を統合的に語りうるものとして、ロマンチックにさえ語りうるというところから、いくつもの視点の間でさまようこと、多次元的な時間の導入、統合されていく時間と空間、重ね合わされ、対立を作り出され、隠され、そして傷つけられ、消えるにまかされていく映像たち、みることにおいて、観賞という受動的な立場は奪われ、観客はそこ(イマージュ)に溺れることを拒否されていく。込められるメッセージは、ふたたび攻撃的なものとなり、世界の不条理に向けての絶え間ざる抗議、怒りを、未来に向けての私を問う激しさを蘇らせてくる。ふたたび、みたび、私を問うことがはじまり、過去が美しさに彩られていくことへの怒りと悲しみが、そこには溢れている。

谷口雅「ロバート・フランク――ムーヴィング・アウト」展評・抄、1995年

Sunday, January 19, 2025

ヴァナキュラーとオリジナリティ

 


2月5日(水)18:00〜20:00、恵比寿の日仏会館で行われる恵比寿映像祭シンポジウム「ヴァナキュラーとオリジナリティ」に橋本一径さん(早稲田大学)、川出良枝さん(東京大学)、田坂博子さん(東京都写真美術館)と参加します。

https://www.fmfj.or.jp/events/20250205.html


Sunday, December 22, 2024

スペシャル・トーク 北島敬三NEW YORK Place M

北島敬三さんの写真集『NEW YORK』出版を記念して、各地の書店などで写真展が開催されていますが、新宿のPlace Mとphototgraphers' galleryでも展示が進行中です。

Place Mで12月28日(土)に行われるトークに、北島さん、瀬戸正人さん、村上仁一さんと参加します。

 https://www.placem.com

Bank ART Stationでも12月28日から展示が始まります。

https://www.bankart1929.com



 

Saturday, November 2, 2024

北島敬三写真集『NEW YORK』[新版]


北島敬三さんの写真集『NEW YOK』が新たな編集の下に刊行されました。巻末に文章を寄稿しました。

「転形期の姿勢—北島敬三『NEW YORK』の1980年代について」、北島敬三『NEW YORK』[新版]、PICT、2024年11月1日、n.d. 【英訳: "Posture During a Time of Transition: On Keizo Kitajima's New York in the 1980s," translated by John Junkerman, Kitajima Keizo, New York [New Edition](Tokyo: PICT, 2024), n.d.】

 

Thursday, October 31, 2024

秋の旅


9月2日 第70回都城市美術展審査、都城市立美術館(+9月7日オンライン)

9月6日 資料調査、国立療養所沖縄愛楽園交流会館

9月7日、8日 「琉球諸嶋風物詩集—惣之助の詠んだ沖縄—」那覇文化芸術劇場

9月20日 「小島一郎リターンズ」青森県立美術館、「鴻池朋子展 メディシン・インフラ」青森県立美術館・国立療養所松丘保養園、「currents/undercurrents」国際芸術センター青森

10月2日〜6日 Life Dances On: Robert Frank in Dialogue(MOMA)、Thomas Shütte(MOMA)、Re-Imagine Street: Photography with We Are Here (ICP)、Edge of Ailey(Whitney)、Elizabeth Catlett(Brooklyn)、Toward Joy: New Frameworks for American Art(Brooklyn) 、Mexican Prints at the Vanguard(MET)、Mandalas: Mapping the Buddhist Art of Tibet (MET)、Mary Sully: Native Modern(MET)。各館常設展。Stonewall National Monument Visitor Center を初めて訪れる。